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デジタル広告の目標設定とは?KGIと連動したKPIの選び方や設定・運用の基本をおさえよう!

Posted by ADDIX on Sep 16, 2020 11:15:27 AM

デジタル広告のメリットを活かして成果を高めていくには、事前の目標設定と、迅速に効果検証を行って運用を改善していく仕組みづくりが欠かせません。その基本となるのは、達成すべき目標の明確化と、目標達成に向けた重要指標であるKPIの設定と運用です。

本記事では、デジタル広告におけるKPI設定と運用の基本的な考え方をご紹介していきます。

【目次】
1)デジタル広告では、KPIがなぜ重要なのか?
2)デジタル広告でのKPIの設定と運用
 あるプロモーションでのKPI設定の例
3)KPIの設定と運用の実践例
 シミュレーションによるKPIの決定
 運用中のKGI/KPIの状況とPDCA
4)まとめ

1)デジタル広告では、KPIがなぜ重要なのか?

PDCAサイクルのスピードアップで成果を最大化

デジタル広告、特に運用型広告(SNS広告含む)は、やみくもに運用しても成果を出すことはできません。成果を出すには、最終的に達成すべきゴールをあらかじめ設定し、ゴールの達成に向けた施策の達成度合いをはかる指標であるKPIを設定し、その効果を測定します。

広告の評価指標は数が多く、全ての指標を追って検証していくには膨大な時間がかかります。そこで重点的に見るべき指標をいくつか選んでKPIに設定することで、PDCAをスピーディーに回し、改善していくことができます。KPIの設定は、広告運用のPDCAサイクルに欠かせないものです。


デジタル広告におけるKGIとKPI

KGI(Key Goal Indicator:経営目標達成指標)は、最終的に達成すべきビジネスゴールの達成度をはかる指標であり、KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)はKGI達成のカギとなる施策を評価する重要指標です。

デジタル広告の運用では、ビジネスゴールであるKGI「最終的な目標数値」を、KPIにはWebサイトの成果である「CV(コンバージョン)」や費用対効果の指標である「CPC(Cost Per Click:クリック単価=クリック1回あたりの広告費用)」「ROI (Return on Investment:投資利益率=投資金額に対する利益の割合)」などが設定されます。KPIは、KGIの達成に向けた各ステップの達成度をチェックする評価指標です。KGIとKPIの達成状況を見ながら、細かくチューニングを繰り返して広告を運用していきます。

※KGI・KPIについて、詳しくはこちら。
売上に貢献できる正しい「KPI」とは? 基礎知識とKGI・CSFとの関係性を学ぼう!

※CV、CPC、ROIなどの広告評価指標について、詳しくはこちら
デジタル広告の効果測定に欠かせない「評価指標」とは? CPA、ROASなど各指標の意味と計算式を学ぼう!

2)デジタル広告でのKPIの設定と運用

KGIの明確化

デジタル広告のKPI設定の前に、まず最初にすべきことはKGIを明確にすることです。
広告運用の現場ではKPIの達成を目指して運用を行っていきますが、KPI達成は広告の最終的な目的ではありません。この基本がブレないことが大切です。

KGIは、企業や団体全体の粗利や売上を指している場合もあります。広告運用におけるKGIは、もう少し狭く、その広告が含まれるプロモーション全体の売上や粗利、その広告からのサイト流入によって発生した売上や粗利を指します。

【広告の誘導先サイトの種類とKGI設定の例】
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KGIに連動したKPIの設定


KPIはKGIの達成へ向けた評価指標です。KPIの達成がKGIの達成と連動するような指標をKPIとして設定します。この場合、ゴールに至るまでの各ステップごとにKPIを設定しておくと、ボトルネックとなっているステップを発見しやすくなります


<あるプロモーションでのKPI設定の例>

KPIに設定すべき指標について、ある商品を売るためのプロモーションを例に説明していきます。
ある商品が売れるまでに、ユーザーは「認知」⇒「検討」⇒「購入」というステップを経るとします。KGIを売上とした場合、KGIを達成するためには各ステップに適したプロモーションを実施する必要があります。プロモーションの結果、前提とした「認知」「検討」「購入」という3つのステップを経たユーザーをどれだけ生み出せたかどうかを測るためにKPIを設定します。

各ステップの定義
「認知」見た、記憶した+好意的なイメージを持った[&どれだけ多く]
「検討」サイト訪問、カートに入れた、会員情報の入力ページを訪れた[&どれだけ多く]
「購入」買った+より高い商品を買った、繰り返し買った[&どれだけ多く]

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上記の定義を各ステップごとの指標に落とし込むと、以下のようになります。
これらの各指標をチェックすることで、ボトルネックがどこなのかを発見しやすくなります


「認知」を測る指標
見た:インプレッション、リーチ、動画再生数[&CPM]
記憶した:フリークエンシー、クリック、動画再生時間[&動画再生単価]
好意的:ブランドリフト調査

「検討」を測る指標
サイト訪問:クリック[&CPC]
カートに入れた:カートイン(CV指標の1つとして計測が可能)[&CPA]
会員情報入力:会員情報ページ訪問(CV指標の1つとして計測が可能)[&CPA]

「購入」を測る指標
買った:CV[&CPA]
高い商品:売上(CVと合わせて計測が可能)
繰り返し買った:リピーター(GAで計測が可能)

3)KPIの設定と運用の実践例

シミュレーションによるKPIの決定


・予算が決まっている場合

広告予算が決まっている場合には、ゴールとなる売上金額をKGI、それを満たすCPCやCPAを考えてシミュレーションを行い、目標としたKGIが達成できるKPIの数値を定めます。

・予算が決まっていない場合
広告予算が決まっていない場合にも、同様にゴールとなる売上金額をKGIとしてシミュレーションを行います。CPCの値は、メディアごとにある程度事前に把握することができます。入手できる指標を元に何パターンかシミュレーションを行い、無理のないKPIの数値を設定するようにします。

・無理がある計画のチェック
あらかじめ予算や売上目標が決まっている場合でも、シミュレーションをしてみると実際には実現が不可能な数値となっていることもあります。

<無理がある広告プランの例>

※あらかじめ、予算と平均客単価が明確なケースを想定。

【事前に確定している項目】
予算(=広告費):100万円
売上目標(KGI):1,000万円
平均客単価:1,000円 

【指標の設定】
CV:商品購入
KGI:売上金額

 ↓ ↓ ↓ 

<上記を踏まえて計算した、必要なCV数と目標CPA>

必要なCV数 = 売上目標(KGI):1,000万円 ÷ 平均客単価:1,000円 = 1万個
 ⇒ 必要なCV数:1万個

目標CPA = 予算(=広告費):100万 ÷ CV数:1万個 = 100円
⇒ 目指すべきCPAは 100円未満。CPAが 100円 を下回っていれば目標達成。


<想定されるCPC、CVRを以下とした場合の、想定CPA>

想定CPC:200円 
想定CVR:0.5%
 
想定CPA = 想定CPC:200円 ÷ 想定CVR:0.5% (※) = 4万円
(※)CPA=CPC÷CVR 

⇒ 想定CPAは 4万円。目標CPAの100円を大幅にオーバー!!

 ↓ ↓ ↓ 

そもそもの計画に無理があるのでは???


運用中のKGI/KPIの状況とPDCA

広告運用では、設定したKPIによって効果測定を行ってPDCAを回してチューニングを行っていきます。ただし、KGIとKPIの達成/未達の状況によっては、KPIの見直しが必要な場合があります。

・KGI・KPIともに「達成」
KPIとKGIが正しく連動している。設定が正しいと判断。次回も同様の指標で実施していく。

・KGIが「未達」・KPIが「達成」
KPIの見直しが必要なケース。
KPIの数値設定が低すぎる、KPIとしている指標が実はKGIとあまり連動しておらず、別の指標がKPIに適している、といった原因が考えられる。

・KGIが「達成」・KPIが「未達」
要注意なケース。
KGIの達成はできているため見落とされがちだが、KPIの指標見直しが必要
今回KPIに設定していて未達だった指標は、ひとまず重視しなくてよい指標と判断。別の指標がKGIと連動している可能性が高い

KPIを別の指標に変更し、その結果を継続して見ていく。同様のケースが続く場合は、KPI入替えを繰り返して検証していく。

・KGI・KPIともに「未達」
引き続き、同じ指標で達成を目指していく。

4)まとめ

デジタル広告の運用で成果を最大化するためには、適切なKGI、KPIの設定によって効率よくPDCAを回し続けていくことが大切です。基本的にはKPIに的を絞って結果をチェックしていけば大丈夫ですが、運用の結果によっては、KPI指標の選び直しが必要になったり、さまざまな指標データの検証が必要になる場合もあります。

そんな時に頼れるのが、膨大なデジタル広告の指標を自動でレポート化するツールや、見たいデータをリアルタイムで確認できる広告データ可視化ダッシュボードなどです。

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Topics: KPI・KGI, 広告運用