BWRITEが、20~40代の女性300人に対して昨年12月に実施した「ECについての意識調査」。その中から今回は、ファッション編レポートをご紹介します。1回目は、購入サイトと購買行動についてです。
ファッションアイテムのEC購入が、もっとも少ないのは20代。多いのは…
「化粧品編」(https://blog.addix.co.jp/172131)では、化粧品をECで購入したことがない女性がもっとも多かったのは20代でした。ファッションアイテムについても、もっともECでの購入経験者が少ないのは同じく20代。35%が購入したことがないと答えました。
一方、もっとも多いのは30代。約8割が購入したことがあると答えています。30代は購入者に絞った場合の購入頻度も高く、もっともECでファッションアイテムを買っている年代といえそうです。
また、購入しているサイトやアプリを種類別(※1)に見ると、どの年代でもメーカー直販以外のサイト(=その他のサイト)での購入が多いようです。
もっとも購入するサイトやアプリにしぼった場合でも、メーカー直販以外の、その他のサイトが多いようです。ただし20代では、他の年代より「メーカー直販のサイト」と答えた割合が高く、お気に入りのブランドのメーカーサイトで一番買っている、という女性も少なくないようです。
では、実際にはどんなサイトで購入しているのでしょうか。具体的な購入サイトについて調査しました。
購入サイトでは「楽天」が圧倒的な1位。30代、40代では通販系も人気。
メーカー直販以外のサイト(=その他のサイト)の中では、どの年代でも「楽天市場」での購入がもっとも多いようです。以下、Amazon、ZOZOTOWNなどが上位に入っています。
<ふだん「ファッションアイテム」を買っている「その他のサイト」【全体】>
20代では「Amazon」が「楽天市場」と同率で1位です。「Amazon」は化粧品の購入サイトでも1位となっており、20代によく利用されているECサイトのようです。また、ブランドの商品を扱う「ZOZOTOWN」が3位、手ごろな価格でトレンドアイテムが買える「SHOPLIST」が4位にランクインしており、ファッション性やトレンド性を重視する傾向が伺えます。
30代では、「楽天市場」が2位以下を引き離しての圧倒的な1位に。また、「ZOZOTOWN」が2位と、20代同様にブランドアイテムの購入も多いことが伺えます。また「ベルメゾン」「セシール」といった通販系サイトも上位に入ってきており、家庭を持つ女性も増える30代で、ファッションアイテムのEC購入に求めるものが20代とは異なってきていることが伺えます。
40代でも1位は「楽天市場」。また、2位は「Amazon」でした。同率3位に通販系の「ニッセン」と「ベルメゾン」がランクインしている一方、20代、30代で2~3位の「ZOZOTOWN」が5位に順位を落としています。
<ふだん「ファッションアイテム」を買っている「その他のサイト」【年代別】>
「メーカー直販のサイト」は「UNIQLO」がTOP。20代は購入サイトが細分化。
一方、「メーカー直販のサイト」と回答している女性は、どういうサイトで買っているのでしょうか。回答は細かく分かれましたが、その中では「UNIQLO」がTOPでした。
<ふだん「ファッションアイテム」を買っている「メーカー直販のサイト」【全体】>
20代では、全てのサイトで回答数が2、または1であり、回答は大きく分散しました。ファッションブランドにこだわりがあり、自分が気に入っているブランドのサイトで買っている様子が伺えます。
一方40代では「UNIQLO」に回答が集中。「メーカー直販のサイト」と答えた17人のうち7人が「UNIQLO」と答えています。この年代ではファッションブランドへのこだわりよりも、機能性や価格を重視している人が多いことが伺えます。
<ふだん「ファッションアイテム」を買っている「メーカー直販のサイト」【年代別】>
購入傾向は年代で変わる。ユーザー層の特徴を加味した戦略が必須。
20代は、ファッションにもっとも興味・関心がある年代(※2)であるため、特定ブランドへのこだわりも強く、購入サイトは細分化しています。また、全般的にECでの購入が少ない年代(※3)であり、今回の調査でも他の年代に比べECでの購入が少ないという結果が出ています。BWRITEが昨年4月に公開した「服の購入についての意識調査」(※4)でも、店舗で試着したり、実物を確かめてから購入したいという気持ちが強いという傾向が見られていました。
30代は、他の年代よりもファッションアイテムのEC購入が多く、購入先としてはメーカー直販以外のサイトが多いようです。特に多いのは「楽天市場」ですが、通販系のサイトや「ZOZOTOWN」などでの購入も多く、さまざまなサイトを利用しています。30代はファッションへの興味・関心も比較的高く、購入頻度も多めな年代(※2)。また、仕事や子育てなどで多忙な女性も多く、いつでもどこでも手軽に買い物ができるECは便利に利用されているようです。
40代は20代に次いで購入が少ないようです。そこには、ファッションへの興味・関心や、購入頻度そのものが減少する年代(※2)であることが影響していると考えられます。また購入サイトでは、楽天、Amazon、通販系サイトに次いで、UNIQLOが人気を集めており、この年代の女性の多くが、ファッションに対して機能性やコストパフォーマンスをより重視していることが伺えます。
ファッションECサイトの運営に当たっては、ブランドや商品のコンセプトを踏まえた上で、ターゲット年代の特徴や志向、ニーズをきめ細かく捉えた戦略が必須といえそうです。
※次回第2回レポートでは、購入サイトの気に入っている点や、サイトを訪れるきっかけについてお届けします。
(※1)
<本調査「ファッションアイテム編」でのサイト分類定義>
◇メーカー直販サイト/アプリ
→商品の企画・製造を主業務とする企業が、自社製品販売のために運営するサイトやアプリ。
◇その他のサイト/アプリ(メーカー直販以外のサイト/アプリ)
→主に、小売業、販売業、通信販売業、ダイレクトマーケティング業を主業務とする企業が、運営するサイトやアプリ。
(例:楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング、ロハコ、ベルメゾン、フェリシモ、ニッセン、セシール、高島屋オンライン、マルイウェブチャネル、SHOPLISTなど。)
【引用データ出典】
(※2)ベルメゾン生活スタイル研究所 ウーマンスマイルアンケート
「ファッション」について(2016.06.15)
http://www.b-desse.jp/report/1223/
(※3)「平成27年版 情報通信白書」(総務省)
第1部 第2節 4 インターネットショッピングの利用状況
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc122400.html
(※4)「服の購入についての意識調査」結果レポートページ【BWRITE】
(2016.04.01)
https://blog.addix.co.jp/16411
※「ECについての意識調査【ファッション編】」結果レポートの記事は、3回に分けてお届けします。
<調査概要>
「ECについての意識調査【ファッション編】」(調査実施:BWRITE)
【実施期間】
2016年12月22日(木)~12月26日(月)
【調査対象・人数】
Fastaskモニター会員である20~40代の女性300名(有効回答から300名を抽出)
(年代別内訳:20代、30代、40代 各100名ずつ)
【調査方法】
WEBアンケート方式
【調査企画・設計/調査主体】
BWRITE(運営:株式会社ADDIX)
【テキスト分析】
ADDIX アナリティクスユニット
【調査実施機関】
ジャストシステム「Fastask」
※この調査での「EC」はBtoCのみを指し、フリマアプリなどのCtoC(個人間取引)は除きます。
また、「ファッションアイテム」は、衣料品、バッグ、靴、ジュエリーを指します。
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