2016年12月、マーケティング情報メディア「BWRITE(ブライト)」は20~40代の女性300人を対象に、「ECについての意識調査」を実施。今回はファッション編:第2回目として、通販サイトに関する評価ポイントをお届けします。女性が、どのようなところを評価して通販サイトを選択しているか最新の意識調査結果です。
通販サイト評価ポイントは、「ポイントシステム」「商品数」「サイズバリエーション」
女性は、具体的に何を評価して現在の通販サイトを選択しているのでしょうか。もっともよく利用するサイトのお気に入りの理由を自由回答で質問しました。
その回答内容を分析してビジュアル化したものが図1。円の大きさは、個々の単語の出現ボリュームを表しています。
図では、「ポイント」という円が非常に大きく、ポイントシステムを多くの女性が重視していることがわかります。また、「商品」「多い」や、「豊富」「サイズ」なども大きく表示されており、商品数やサイズバリエーションも重視されているようです。
前回の「化粧品編」(https://blog.addix.co.jp/172221)の調査では、「ポイント」「安い」の2つに理由が集中していました。ファッションでは、自分の体形や好みに合うことが、より重視されるようです。
※(図1:自由回答を共起ネットワークによりビジュアル化)
楽天とYahoo!はポイントシステムを評価、Amazonは検索性を評価
さらにサイトごとに理由を見ていくと、利用するサイトによってユーザーの評価ポイントには違いがあるようです。「楽天市場」と「Yahoo!ショッピング」に対しては、ポイントシステムを評価するコメントが多く、「Amazon」に対しては検索性や口コミなどを評価するコメントが数多く見られました。
「ZOZOTOWN」ユーザーからは、ブランドアイテムをリーズナブルに購入できる点を評価するコメントが多く見られました。ブランドへのこだわりを持ち、かつ、コストは抑えたいという層のニーズをうまく捉えていることが伺えます。
セシールはサイズバリエーションを評価、ニッセンは価格を評価
「セシール」「ニッセン」「ベルメゾン」など通販系サイトユーザーの評価ポイントも自由回答で得ることができました。
「セシール」のユーザーは、サイズバリエーションを評価しているコメントが目立ちます。「ニッセン」のユーザーは、価格。そして「ベルメゾン」のユーザーからは、品質に対する評価が見られました。
<Q:もっともよく『ファッションアイテム』を購入するサイトやアプリの気に入っているところ:自由回答>
~「メーカー直販以外(その他)のサイト/アプリ」コメント抜粋(順不同)~
<楽天市場>
「ポイントが貯まるので、安く買える」
「価格の比較がしやすい」
「レビューが見られる」
「あす楽などで早く届いたり、送料無料などになりやすいお店が多い」
「品数が豊富で価格が安価」
<Amazon>
「使い慣れている。」
「検索しやすい」
「商品の取り扱いが多く、信頼度も高い」
「返品が簡単。送料無料。」
「口コミが見られる。」
「安い。タイムセールが多い。」
<Yahoo!ショッピング>
「ポイントが貯まる」
「安い。サイズが豊富」
「商品が多い」
「使いやすい」
<ZOZOTOWN>
「注文してすぐ届くところ 。」
「品数も多いし 安いし まともに普通の店舗じゃ買えない」
「(ブランドの商品が)割引されていたりするところ。」
「アイテムをみつけやすい」
<セシール>
「サイズ展開が豊富だから」
「自分に合っている商品が多いので」
<ニッセン>
「老舗で安心」
「セールで当たりがあるとかなり安く買える」
「無料で返品交換できる」
「サイズ展開が豊富で自分にピッタリのサイズが見つかるから」
<ベルメゾン>
「セールのお知らせ」
「品質のよい商品が多い。」
「欲しいものが安く手に入るから」
メーカー直販サイトユーザーは「好きなブランドへのこだわり」あり。
一方、メーカー直販サイトの購入者では、「好きなブランドがある」というコメントが数多く見られます。ブランドへのこだわりが、直販サイトでの購入につながっているようです。「コーディネートが見られる」などのコメントも見られ、ブランドに特化したコーディネート紹介コンテンツが、ブランドファンとのコミュニケーションにおいて重要なコンテンツであることが分かります。
また、「在庫状況がわかる」「店頭は、品切れでもオンラインショップなら在庫がある」など、在庫に関する実用性を評価するコメントも。ふだんからそのメーカーの商品を店頭とネット両方で購入しており、店頭で品切れの際にはECサイトをチェックする、という行動パターンが伺えます。
ただし、「UNIQLO(ユニクロ)」の購入者では、ブランドへのこだわりよりも、価格面や利便性が評価されています。機能性とコストパフォーマンスを訴求するUNIQLOならではの、独自のポジションが伺える結果です。
<Q:もっともよく『ファッションアイテム』を購入するサイトやアプリの気に入っているところ:自由回答>
~「メーカー直販のサイト/アプリ」コメント抜粋(順不同)~
<UNIQLO(ユニクロ)>
「デジタルチラシで簡単に安売り商品をチェックできるから」
「店頭は、品切れでもオンラインショップなら在庫があり、広告の価格で購入できる」
「商品の在庫が店舗ごとにわかる」
「特売があるところ。」
「サイズが豊富」
<USAGI ONLINE>※マッシュホールディングス
「好きなブランドがある」
<ランウェイチャンネル>※マークスタイラー
「好きなブランドの取り扱いが多いこと」
<ワールド>
「好きなブランドがある」
「値段が安い」
<.st(ドットエスティ)>※アダストリア
「在庫状況がわかる」
「コーディネートが見れる」
<アクシーズファム>
「見やすいのでつい買ってしまうから」
<オンワード>
「メーカーのサイトなので品揃えが豊富」
<BEAMS>
「支払い方法の多さ、色々なブランドが入っているので選ぶのに良い。」
ユーザーニーズが異なる、メーカー直販サイトと非直販サイト。戦略的に使い分けを。
ファッションアイテムをどこで購入するかには、ファッションに求めるものによって変わってきます。ECサイトの場合でも、メーカー直販のサイトでの購入者と、メーカー直販以外(その他)のサイトでの購入者とで、ニーズやメリットが大きく異なります。
「メーカー直販以外(その他)のサイト」の購入者では、価格面と利便性が重視されます。一方、「メーカー直販のサイト」の購入者は、いわばそのメーカーのブランドのファン。好きなブランドの商品を買ったり、コーディネートをチェックしたりするためにサイトを利用しています。
ECモールと直販の公式サイトの双方でECを展開しているブランドは少なくありませんが、それぞれのユーザー層やニーズは異なっています。その違いを踏まえて戦略的に使い分けていくことが必要といえそうです。
<本調査「ファッションアイテム編」でのサイト分類定義>
◇メーカー直販サイト/アプリ
→商品の企画・製造を主業務とする企業が、自社製品販売のために運営するサイトやアプリ。
◇その他のサイト/アプリ(メーカー直販以外のサイト/アプリ)
→主に、小売業、販売業、通信販売業、ダイレクトマーケティング業を主業務とする企業が、運営するサイトやアプリ。
(例:楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング、ロハコ、ベルメゾン、フェリシモ、ニッセン、セシール、高島屋オンライン、マルイウェブチャネル、SHOPLISTなど。)
※次回第3回レポートでは、ファッションアイテムのEC購入の際に重視するコンテンツについてお届けします。
※「ECについての意識調査【ファッション編】」結果レポートの記事は、3回に分けてお届けします。
<調査概要>
「ECについての意識調査【ファッション編】」(調査実施:BWRITE)
【実施期間】
2016年12月22日(木)~12月26日(月)
【調査対象・人数】
Fastaskモニター会員である20~40代の女性300名(有効回答から300名を抽出)
(年代別内訳:20代、30代、40代 各100名ずつ)
【調査方法】
WEBアンケート方式
【調査企画・設計/調査主体】
BWRITE(運営:株式会社ADDIX)
【テキスト分析】
ADDIX アナリティクスユニット
【調査実施機関】
ジャストシステム「Fastask」
※この調査での「EC」はBtoCのみを指し、フリマアプリなどのCtoC(個人間取引)は除きます。
また、「ファッションアイテム」は、衣料品、バッグ、靴、ジュエリーを指します。
アパレル・コスメ・ラグジュアリー等、300社以上の実績あり
ADDIXが提供するデジタルマーケティング
ADDIXのデジタルマーケティング事業部では、アパレル・コスメ・ラグジュアリー業界を中心に300社・ブランドの実績と最新の知見により、マーケティングの成功を支援します。ユーザー視点・顧客体験を起点とした戦略策定からコミュニケーション設計、SNSアカウント・デジタル広告運用・分析までトータルにサポートします。
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