消費の低迷といわれて久しい中、国内EC市場は伸び続けています。経済産業省のデータ(※1)によると、2015年度の日本国内のECの市場規模はBtoC のみで13兆7746億円。対前年比で7.6%の伸び率であり、今後も拡大が予想されます。
そこでBWRITEでは、20~40代の女性300人に対して「ECについての意識調査」を実施。女性の生活に関係の深い「化粧品」「ファッション」「キッチン」の3つのカテゴリーについて、ECでの購入実態と意識を探りました。
そもそも、女性たちは、「化粧品」をECでどのくらい、どんなサイトで買っているのでしょうか。1回目は「化粧品」のEC購入について、「購買行動と購入サイト」に関するレポートをお届けします。
※今回の調査での「EC」はBtoCのみを指し、フリマアプリなどのCtoC(個人間取引)は除きます。
(※1)経済産業省「平成27年(2015年)度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160614001/20160614001.html
化粧品を「ECで全く購入したことがない」20代女性が5割?!
まず、女性たちが「化粧品」をECでどのくらい買っているかについて、年代別で調べてみました。その結果、意外にも「ECで全く購入したことがない」と答えた割合がもっとも高かったのは20代。半数が「ECで全く購入したことがない」と答えました。一方30代と40代では、EC購入未経験者はそれぞれ約4割。20代に比べ、10%ほど低い割合となっています。
なお、「化粧品」のEC購入者のみに絞って購入頻度を見ると、若い年代ほど購入頻度が高いようです。20代では、中には「週1回以上」と回答した人も。若い年代では、数は少ないものの、頻繁に化粧品をネットショッピングして楽しんでいる女性もいることが伺えます。
20代は決まったサイトで商品を探し、40代は欲しい商品でサイトを探す。
では女性たちは化粧品を、どういうサイトやアプリで購入しているのでしょう。「メーカー直販」と、それ以外の「その他」に分けて調べました。その結果、20代ではメーカー直販以外の「その他のサイト」が多く、40代では「メーカー直販のサイト」が多いようです。
なお、20代では、化粧品EC購入者の約2割が「その他のアプリ」(=メーカー直販ではないアプリ)で購入していると答えました。スマホを日常的に利用する若い世代で、アプリを利用したEC購入が広がりつつあるようです。
また、購入するサイトがどの程度固定しているかについては、若い年代ほど「決まったサイトやアプリで買うので、それ以外はほとんど見ない」と回答しています。一方、40代では「その都度、商品などで検索して、買うサイトやアプリを探す」と答えた割合が約3割と非常に高くなっています。
購入サイト、20代は「Amazon」、30代40代は「楽天市場」がTOPに。
化粧品を購入するサイトやアプリの具体的な名称を答えてもらったところ、「その他のサイト」では、大手ECサイト2強「楽天市場」「Amazon」の圧倒的な強さが際立ちました。年代別では、20代で「Amazon」が1位、30代・40代で「楽天市場」が1位と、20代と、30代・40代とで、若干の傾向の違いがあるようです。
【ふだん「化粧品」を買っている「その他のサイト」:全体】
【ふだん「化粧品」を買っている「その他のサイト」:年代別】
一方「メーカー直販のサイト」では、さまざまなメーカーの名前があがっています。その中では、「オルビス」と「DHC」が、どの年代でも人気があるようです。
年代別に見ると、20代では、いわゆる『通販コスメ』の中では、「オルビス」の人気が突出して高く、また「イヴ・サンローラン」などの外資系ブランドの名前が出ていることが特徴的です。また今回の調査では、「ドクターシーラボ」「資生堂ワタシプラス」は30代と40代のみに、「マナラ」「ファンケル」は40代のみに回答が集中していました。
【ふだん「化粧品」を買っている「メーカー直販のサイト」:全体】
【ふだん「化粧品」を買っている「メーカー直販のサイト」:年代別】
2極化が進む20代、通販コスメ好き40代。商品選びとチャネルには密接な関係あり!
今回の調査では、20代では半数が「ECで化粧品を購入したことがない」と答えました。購入者だけで見た場合、購入頻度は他の年代よりも高めなことから、若い年代の女性たちの中で化粧品の購買行動の個人差が大きいことが伺えます。
また20代では、化粧品を購入するサイトやアプリについて半数が「決まったサイトやアプリで買うので、それ以外はほとんど見ない」と回答しています。詳しく見てみると、「Amazon」「楽天市場」など、自身がふだんECをよく利用しているサイトやアプリの中で、ほしい化粧品を探して買っている人が多いようです。
一方、上の年代になると「ドクターシーラボ」「ファンケル」などの、いわゆる『通販コスメ』の購入者が増えることもあり、「メーカー直販」のサイトやアプリをその都度探して買う人の割合が高くなる傾向が見られます。化粧品については、購入する商品やメーカーと、購入サイトのセレクトとが密接に結びついているといえそうです。
では、女性たちは購入サイトのどこを気に入って利用しているのでしょうか。サイトへの訪問のきっかけは? 第2回では、女性たちの、そのサイトやアプリを利用する理由や、サイトを訪れるきっかけについてお届けします。
※「ECについての意識調査【化粧品編】」結果レポートの記事は、3回に分けてお届けします。
<調査概要>
「ECについての意識調査【化粧品編】」(調査実施:BWRITE)
【実施期間】
2016年12月22日(木)~12月26日(月)
【調査対象・人数】
Fastaskモニター会員である20~40代の女性300名(有効回答から300名を抽出)
(年代割付:20代、30代、40代 各100名ずつ)
【調査方法】
WEBアンケート方式
【調査企画・設計/調査主体】
BWRITE(運営:ADDIX)
【テキスト分析】
ADDIX アナリティクスユニット
【調査実施機関】
ジャストシステム「Fastask」
アパレル・コスメ・ラグジュアリー等、300社以上の実績あり
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