2022年1月の各SNSプラットフォームの最新ニュースです。
TwitterやYouTubeでのNFT機能提供や、Instagramの動画シフトとサブスク新サービスのテスト開始、Twitterスペースで録音可能に、Twitter広告のカンバセーションボタンやメディア付き投票機能の停止や終了などの動きがありました。
1. Instagram |
(1)2022年は動画に注力
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米Meta(旧Facebook)傘下のInstagramの責任者、アダム・モッセリ氏は、2021年12月29日(現地時間)、自身のTwitterにて2022年は動画に注力するという方針を明らかにしました。
2022 Priorities ??
— Adam Mosseri (@mosseri) December 28, 2021
This next year is going to be pivotal for Instagram. In addition to our industry-leading safety and wellbeing efforts, we're focused on these four key priorities.
Hope you're all able to get some rest over the holidays. See you in the New Year! ??? pic.twitter.com/iY8uQ1EnMZ
出典:
https://twitter.com/mosseri/status/1475872830570909698
Instagramでは2021年、これまで30秒までしか投稿できなかったリールが60秒まで投稿可能になったり、また国内においてもさまざまな企業で実施されたInstagramライブ配信など、動画コンテンツが目立っていました。
TikTokやYouTubeとの熾烈な競争の中で、動画へのシフトを重視していると考えられます。2022年はさらにInstagramの主力は静止画から動画となり、動画コンテンツの拡充が目立つことが予想されます。
(2)サブスクサービスの試験運用を開始
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同じくアダム・モッセリ氏が、自身のInstagramでテスト中の新機能を明かしました。クリエイターを支援するためのサブスクリプションサービスで、購読者限定の有料コンテンツが配信可能になります。
出典:https://www.instagram.com/p/CY6-dy5AGoR/
クリエイターは、月額0.99ドルから99.99ドルの範囲で、自分で購読料を設定できるそう。
投稿日の時点では数万人のフォロワーを持つ米国の人気クリエイター10人でテスト中とのことで、今後数カ月のうちにさらに多くのクリエイターが利用できるようになるようです。
サブスクリプションサービスについては、YouTubeでは2018年にメンバー限定動画が投稿できる「チャンネルメンバーシップ 」を、Twitterでは2021年にフォロワー限定のコンテンツを共有できる「スーパーフォロー(Super Follows)」を、それぞれ提供開始しています。
Instagramでも、サブスクリプションサービスの提供を待ち望んでいたクリエイターは多いかもしれませんね。
2.Twitter |
(1)Twitterスペースで録音機能が利用可能に
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Twitterスペースは、Twitter上で音声を使ってリアルタイムで会話できるサービスです。
これまでTwitterスペースで録音できるのは一部のユーザーに限られていましたが、この制限が解除されました。AndroidとiOSの全ユーザーで、録音機能が利用可能です。
Now you never have to miss out on a Space! Some hosts on iOS have the option to record their Spaces and anyone can listen to and share the recording from the Spaces card. pic.twitter.com/1exWgtw2WG
— Twitter Support (@TwitterSupport) October 28, 2021
出典:
https://twitter.com/TwitterSupport/status/1467986249852063748
スペースの録音機能を有効にした場合、配信の参加者数や録音の再生回数が確認できる機能も導入されています。
なお、録音したものは、スペース終了後30日間再生可能です。
(2)Twitter広告:4月以降、カンバセーションボタンの一時的な利用制限とメディア付き投票機能の提供が終了
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1)カンバセーションボタンの一時利用停止
カンバセーションボタンは、画像広告や動画広告に追加できるほか、コールトゥアクションボタンやカスタマイズできるハッシュタグも広告に追加できるカスタム機能。広告マネージャー改修に伴い、2022年4月1日以降、この機能が利用できなくなります。(現時点では提供再開は未定)
なお、3月31日までにカンバセーションボタンを作成し、そのカードを設定したツイートを作成した場合のみ、4月1日以降もそのツイートを使った広告配信は可能となる予定です。
2)メディア付き投票機能の提供が終了
投票機能はこれまでメディア(画像または動画)の有無にかかわらず利用できましたが、メディア付き投票機能は2022年3月31日に提供終了となります。
画像広告や動画広告では、投票機能が4月1日以降は利用できなくなりますので、広告運用担当者は注意が必要です。
(3)所有するNFT画像を自身のプロフィール画像として設定可能に
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所有するNFT(※1)画像を、自身のTwitterアカウントのプロフィール画像として設定可能になります。
下記の画像のように、プロフィール画像が円形ではなく六角形の輪郭になっているのがNFT画像です。
引用:https://twitter.com/TwitterBlue
プロフィール画像をNFTに設定するためには、当然何らかのNFTを所有している必要があります。
ユーザー自身が利用している暗号資産のウォレットに接続し、所有しているNFTコレクションから設定したい画像を選択、プロフィール画像設定画面にて「NFTを選択」で設定可能です。
(2022年1月現在、サポートされているウォレットは、Argent、Coinbase Wallet、Ledger、Live、MetaMask、Rainbow、Trust Wallet)
NFTプロフィール画像を設定すると、このようにTwitterアカウントと暗号資産ウォレットの公開アドレスが関連付けられます。
売却、転送などによりプロフィールに設定したNFT画像の所有権を失った場合にも、画像はそのまま表示されますが、その場合、六角形ではなく従来の丸型になり、所有権に関する情報は表示されなくなります。
大前提として、2021年1月現在、NFT画像をプロフィール画像として設定ができるのは、Twitter for iOSアプリからのみです。「Twitter Blue(※2)」(日本では未提供)を利用するアカウント向けとなっていますが、六角形の形状をしたプロフィール画像は全ユーザーに表示されます。
なお、昨年12月にはMeta(旧Facebook)がNFT機能を開発中というニュースもあり、NFT機能をFacebook、Instagramでも追加検討しているようです。暗号資産がどんどん身近になってきていますね。
(※1)NFT(Non-Fungible Token)とは:
日本語に直訳すると「非代替性トークン」。
ブロックチェーン技術を活用することで、コピーが容易なデジタルデータに対して「この世でたったひとつのもの」として唯一無二の資産的価値をもたせ、「デジタル上で自分が所有している」ということを証明する技術。
2021年の流行語大賞にもノミネートされるなど、新たな売買市場を生み出す技術として今注目を浴びています。
(※2)Twitter Blueとは:
Twitter Blueはオプトイン方式の月額有料制サブスクリプションサービスです。登録ユーザーは、このサブスクリプションでしかアクセスできないプレミアム機能とアプリのカスタマイズ機能を低額で利用できます。2022年2月1日現在、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで提供されており、Twitter for iOSでのみ利用可能です。
3.YouTube |
(1)NFT提供を検討
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TwitterのNFTニュースに続き、YouTubeでもNFT関連ニュースが出ています。
YouTubeのCEO、スーザン・ウォジスキは、2022年1月25日のクリエイター向けの年次書簡にて、YouTubeクリエイターの支援としてNFT機能の提供を検討中であると発表しました。
また、Web 3.0の動向にも非常に注目していると述べており、仮想通貨やNFT、DAO(※3)についても言及。中でもNFTをサービスに取り入れる可能性を示唆しています。
(※3)DAOとは:
DAOは「Decentralized Autonomous Organzation」の略で、日本語では「自律分散型組織」または「分散型自律組織」。ブロックチェーンの構成員による投票・合意によって意思決定がされ、自律的に運営される階層のない組織で、代表例にビットコインがあります。
なおサービス提供は検討段階ですが、YouTubeによるNFTの利用はすでに始まっています。
1月24日に公開された、日本のYouTuber HIKAKIN(チャンネル登録者数1,050万人)の動画
「YouTubeから謎の箱届いて開封したら中身過去一ヤバすぎwww【謎のダンボール】」では、メキシコのアーティスト、ヴァレリア・モンテロによるNFTアート「Better Together(一緒ならもっとうまく行く)」が、YouTubeからオブジェとして送られてきたことが明かされています。
この「Better Together」はHIKAKINのためにデザインされた作品。NFT化し、“所有権”が贈呈されたのだそうです。
同月21日にも、日本のお笑いタレント・YouTuber 江頭2:50のもとにYouTubeからNFTのデジタルアートが送られてきた様子が投稿されています。
参考:https://blog.youtube/inside-youtube/letter-susan-our-2022-priorities/
(2)「YouTubeショート」が5兆回アクセス達成
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昨年9月に日本でも提供開始された「YouTubeショート」。
スマートフォンでキャッチーなショート動画(最長60秒)を撮影から編集、投稿まで簡単にできる機能です。
ショート動画と言えば、TikTokやInstagramのリールが思い浮かびますが、「YouTubeショート」は、それらのショート動画に対抗すべく提供開始されたYouTubeのサービスです。
YouTubeから2022年1月25日に発表された内容によると、「YouTubeショート」の累計視聴回数が5兆回に達したとのこと。YouTubeにおけるクリエイターの新しい収益方法のひとつとして注目を集めており、今後ますます盛り上がりを見せていきそうです。
参考:https://blog.youtube/inside-youtube/letter-susan-our-2022-priorities/
最後に:2022年のSNSプラットフォームのキーは? |
企業にとって消費者とのコミュニケーションとしてSNSは非常に重要なツールとなり、益々進化を続ける各SNSですが、2022年はいずれの媒体もこれらがキーになりそうです。
・ショート動画をはじめとした動画コンテンツの拡充
・クリエイター支援の多様化が加速
・コンテンツが唯一無二の資産的価値を持つ
2022年も最新のSNSニュースを発信していきますので、お楽しみに。