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iOS14アップデートによるFacebook広告への影響と対策とは?

Posted by ADDIX on Sep 1, 2021 11:28:01 AM

世界的なプライバシー保護の高まりを背景に、Appleは2021年春にiOS14のアップデートを行いました。これにより、利用者が許可した場合を除き、自社のアプリやWebサイト以外でのデータの収集や共有が禁止されるようになりました。

iOS14のこのアップデートは、Facebook広告へも大きな影響を与えました。運用中のFacebook広告アカウントで「2021年春頃から、急にCVR(コンバージョン率)が低下している」場合には、このアップデートが影響しているかもしれません。

本記事では、iOS14アップデートによるFacebook広告への影響と、必要な対策方法についてご紹介します。

※本記事は2021年8月27日時点の情報を元に執筆しています。

 

1.iOS14アップデートの概要と影響

2020年に予告されていた通り、Appleは現地時間2021年4月26日(日本時間27日)にiOS14をアップデートし、iOS14.5をリリースしました。これにより、プライバシー関連のポリシーが変更され、他社が所有するアプリやWebサイトでの行動をトラッキング(※1)する場合、ユーザーに許可を求めることが必要になりました。


<iOS14.5アップデートによるプライバシー関連の変更>

・アプリのデータ使用方法の説明が必須に
新規アプリ、および既存アプリのアップデートを提出するには、プライバシー方針に関する情報をApp Store Connectで提示する必要があります。広告やアナリティクスのSDKなど、サードパーティのコードを使用している場合も、そのサードパーティのコードが収集するデータの種類やその使用方法、そのデータによるユーザーのトラッキングの有無を説明する必要があります。

・トラッキング許可のリクエストを義務化
iOS 14.5、iPadOS 14.5、tvOS 14.5以降では、ユーザーをトラッキングしたり、ユーザーのデバイスの広告識別子にアクセスする際には、AppTrackingTransparency(ATT:Appleが提供するプライバシー保護を目的としたアプリのトラッキング申告フレームワーク)を通じてユーザーの許可を得る必要があります。
※出典:https://developer.apple.com/jp/app-store/user-privacy-and-data-use/


これらの変更により、アプリやブラウザベースのサービスなどで利用してきたIDFA(Identifier for Advertisers)の取得が制限され、トラッキング機能やイベント計測(※2)に大きな影響が出ています。

IDFAは、Appleがユーザーの端末にランダムに割り当てるIDであり、広告識別子とも呼ばれるものです。広告主はこのIDをトラッキングして広告へのエンゲージメントやアプリ内でのユーザー行動を計測し、ユーザーに対してパーソナライズドされた広告配信を行っています。

(※1)トラッキングとは:
トラッキングとは:自社が提供するサイトやアプリで収集したユーザーやデバイスに関するデータを、ターゲット広告や広告効果測定を目的として、外部のサイトやアプリなどから収集されたデータに紐付ける行為を指します。

(※2)イベント計測とは:
Google Analyticksなどのアクセス解析ツールや、FacebookやGoogleなどの広告アカウントなどで、事前にイベントとして定義したアクションをユーザーが行った時に送信されるデータを計測する行為を指します。効果測定や広告最適化のために用いられ、種類や数などはプラットフォームによって異なります。たとえばFacebook広告では、商品の検索、商品の閲覧、商品の購入などのイベントがあります。

 

2.Facebook広告への影響と対策

(1)Facebook広告への影響

Facebook広告では、iOS14アップデートによって、iOS 14.5以降の利用者をターゲットとするキャンペーンを掲載している広告主が大きな影響を受けています。

また、これまで計測可能なイベント数の上限はありませんでしたが、今回の変更によりドメインによって上限が8件までに制限されるようになりました。また、取得できる期間も7日間までに制限されます。

Facebookのビジネスツールを活用して広告配信のコンバージョンイベント最適化やターゲット設定、レポートを行っている場合、非常に大きな影響を受けます。主な影響としては、「コンバージョンなどの効果測定が難しくなる」「ターゲティング精度が低下する」などが考えられます。

 

(2)Facebook広告におけるiOS14対策



Facebook広告における対策としては、FacebookがiOS14.5によるターゲット縮小の影響を最小限にするために新設した「合算イベント測定」を利用します。「合算イベント測定」を利用するためには、独自ドメインによるドメイン認証が必須となります。

 

・合算イベント測定とは  
Facebookの合算イベント測定とは、iOS14利用者のイベントの測定を可能にする規格です。 Facebookピクセルに「購入」「カートに追加」「登録完了」など複数のコンバージョンイベント設定をしていた場合に、どのコンバージョンイベントを優先して最適化を行うかを指定します。

まず、優先度の高いコンバージョンイベントをドメインごとに8件設定する必要があります。この8件のコンバージョンイベントは、1つ以上のFacebookピクセルから選択します。イベントを設定したら、次に優先度を設定する必要があります。

通常は、以下の手順に従って設定を行うことで、コンバージョンイベントを使用して広告を最適化することが可能になります。

 

【合算イベント測定の手順】

1.ドメインを認証する
ドメイン認証を行うことで、対象のドメインで8件のコンバージョンイベントの設定・優先順位付けを行う権限のあるビジネスマネージャアカウントが確立されます。

2.ドメインの上位8件のイベントを設定・優先順位付けする
標準イベントとカスタムコンバージョンは8件まで選択できます。

※参考※「合算イベント測定を使用するためにイベントを設定する」https://www.facebook.com/business/help/422408905612648


3.広告マネージャでコンバージョンの最適化キャンペーンまたはバリューへの最適化キャンペーンを設定する
バリューへの最適化を使用してiOS 14.5以降の利用者にリーチするには、イベントマネージャーでバリューへの最適化をオンにし、バリューに最適化する購入イベントごとにバリューセットを有効にします。


合算イベント測定の注意点
ユーザーがイベントとして登録した行動を複数行った場合、優先順位の高いイベント1件しか計測されません。例えば、広告をクリックしたユーザーが会員登録を完了し、そのまま購入した場合、「会員登録」と「購入」のうち、優先度を高くしたイベントのみが計測されます。そのためコンバージョン数は、実際よりも少ない値で計測されることになります。



・ドメイン認証とは  
Facebook広告のドメイン認証とは、Facebookにおけるドメインの所有権を取得するための手続きであり、主にFacebook上の管理者権限に関わる認証です。

ドメイン認証の手続きは、Facebookのビジネスマネージャアカウントを持っている人なら、誰でも行うことが出来ます。

iOS14アップデート対策として導入された「合算イベント測定」の機能を利用するためには、ドメイン認証が済んでいなければなりません。

 

3.まとめ

iOS14アップデートにより、Facebookなどアプリやサービスに大きな影響が出ています。
Facebook広告では、その影響を極力少なくするために新たに「合算イベント測定」が導入されており、導入に際してはFacebookピクセルの設定とFacebookビジネスマネージャーによるドメイン認証が必須となっています。

またトラッキング許可がないユーザーのデータが追えなくなくなった上、イベントの上限数が制限されるなどの変更が生じており、Facebook広告単体での効果測定が難しくなりました。これに対しては、Google Analyticsなどの外部ツールを活用して遷移先のサイトでの行動データをきちんと取得することも大切です。

ADDIXでは、Facebook広告の基本設定から配信のための企画から運用、iOS14アップデート対策のレクチャーや設定代行、Google Analyticsの設定代行などトータルでご支援しております。iOS14アップデートに伴う対応にお困りの場合は、ぜひお問い合わせください。

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参考記事:
https://www.facebook.com/business/help/721422165168355

https://www.facebook.com/business/help/422408905612648
https://www.facebook.com/business/help/331612538028890?id=428636648170202
https://developer.apple.com/jp/app-store/user-privacy-and-data-use/

 

 

Topics: SNSマーケティング, 広告運用