コロナ禍によって顧客接点のデジタル化が必須となり、ビジネス目的でのVR(バーチャルリアリティー)の活用が増えています。またVRを制作する企業も増え、各社がバラエティに富んだサービスを提供するようになりました。
企業のDX実行支援してきたADDIXでも、この1年でVRの活用についてご相談を受ける機会が増えました。VRを初めて活用される企業様では、VRに対して「難しそう」「何ができるかわからない」など、多くの疑問をお持ちのことが多いようです。
本記事では、VR導入にあたって企業様からよくいただく質問とその回答を、Q&A形式でまとめてご紹介します。VR導入を検討されている企業様、ぜひお役立てください。
回答者:株式会社ADDIX 執行役員 中元 直人
※本記事内の情報や部署名・所属等は記事公開時点(2021年4月)現在のものです。
Q1.:VRにはいろいろなサービスがありますが、種類や違いがよくわかりません。 |
VRの種類は、VRのタイプと制作方法によって大きく4つに分けることができます。
まず、VRタイプは大きく分けて次の2種類があります。
・ウォークスルー(擬似ウオークスルー)タイプ
・パノラマ写真タイプ
「ウォークスルータイプ」とは、ユーザーがVR空間内を、任意に立ち位置や視点を変えて歩いているような体験を提供するタイプとなります。VRウォークスルー、3Dウォークスルーなどとも呼ばれます。
「パノラマ写真タイプ」は、固定された特定の立ち位置からの視点のみを見せる、平面的なVR空間となります。パノラマVR、360度パノラマ写真などとも呼ばれます。
さらにこの2つのタイプに対して、制作手法の2パターン「実際の空間を撮影するのか」「3DCGで作り上げるのか」で大きく分かれます。
<VRのタイプと制作手法>
Q2. VRコンテンツの制作には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか? |
質問1の回答でご紹介した、VRのタイプと制作手法によって費用は大きく変動します。
特に「撮影のみで完結するのか」、「3DCGの制作やVR空間内のカスタマイズが必要なのか」によって制作費用の幅が生まれます。
簡易なものであれば10万円程度で提供できる場合もありますし、費用が1000万円を超えるような場合もあります。
値段に影響するのは、主に下記の3点です。
①既存のサービスを活用するのか、カスタマイズして作るのか
②実在の環境を撮影して作るのか、0から3DCG空間を作るのか
③CGの作り込み加工をどこまで行うのか
<構築手法による費用への影響>
この中でも特に、③のCGの作り込み加工をどこまで行うのかがコストへの影響が大きいです。具体的には、加工のクオリティやボリュームがダイレクトに費用に連動します。
①に関しては、選ぶサービスによって出来ること・出来ないことの制約が発生します。費用が安く納期も早い替わりに、画像の加工は一切できないサービスもあります。
企業のブランディング目的でVRコンテンツを作成する場合には、UI部分を自社オリジナルに用意するなど、カスタマイズが必要になるケースがほとんどです。費用だけに着目して、目的に合わないサービスを選ばないよう注意が必要です。
②については、撮影のみで完結する場合は費用を安く抑えやすくなります。ただし、画像に加工を加える場合には高額の追加費用が発生するケースもありますので、予算の増加幅に注意が必要です。
Q3. 制作期間はどの程度必要ですか? |
こちらも内容によって変わってきますが、撮影のみで完結する場合には、実施内容決定から公開まで1~2週間ほどで実施できるサービスも多いです。
一方0から空間を作り上げていく場合には、期間が長くかかります。企画内容の決定、空間のデザインすりあわせ等のステップを踏む必要がありますので、3~4ヶ月程度の期間を見ておく方が良いでしょう。
Q4. VRコンテンツには、どんな情報や機能を埋め込むことができますか? |
基本的に、テキスト情報やクリックした際のポップアップウィンドウの起動、VR空間内への画像や動画の埋め込み、VR空間から外部サイトへの遷移といった基本的な要素はどのサービスでも組み込みが可能となっています。リアルタイムで360°VR動画を配信することができる「VRライブ配信」が可能なプラットフォームもあります。
ユーザーに合わせて挙動を変えるような動的なコンテンツを埋め込みたい場合は、別途対応可能な開発会社を探す必要があります。
Q5. VRは、各社でどんな使い方をされているのでしょうか? |
VRの活用は、もともと不動産業界やエンタメ業界では早くから進んでいましたが、コロナ禍をきっかけにそれ以外の業種で急激に広まっているような状態です。
不動産業界では、VRは建設予定のマンションなどの営業活動に使われることが多いようです。よくある活用例としては、マンション建築予定地に完成後の状態を3DCGで構築する、という使い方があります。またドローンなどを使って撮影を行い、やはり完成前のマンションの高層階からのビューを体感できるコンテンツをVRで作成する企業もあるようです。
弊社でご支援しているアパレル等のブランド企業では、実店舗をベースにCGの合成を組み合わせるなどの活用方法が多いです。
具体的には、海外のフラッグシップショップなど「アイコン的な店舗をVR化して、ブランドの世界観が伝わる体験を提供する」形式か、「VR店舗を、さまざまな外部コンテンツに遷移するためのエントランスとして活用する」形式での活用が多く見られます。
Q6. VR活用のステップを教えてください。 |
VRの活用にあたって一番最初に検討すべきは「どのようなアウトプットをゴールとするか?」です。ゴールが見えてくれば、どのようなサービスを活用すべきかが決まってきます。またさらに活用するサービスによって、費用ややるべきこと、叶えられる目的が決まってきます。
もちろん大前提として、企業のマーケティングご担当者は「施策の目的」に照らし合わせて、"そもそもVRである必要性があるのか?"について、VRを「自社コンテンツ」としてどのように活用するのかを検討することが重要です。
VRは、まだまだ企業での活用経験者が少ない段階です。具体的に制作を進める前に、まずはプロジェクトチーム内で共通のアウトプットイメージが持てるよう、合意形成から始められることをお勧めします。
"VR"という言葉からイメージする内容は、人によって大きな幅があり、かなり違っている場合もあります。既存各社の制作事例などを元に、自社で実際に制作したいVRの方向性を検討されることが、最もスムーズ、かつ精度を上げやすい検討方法ではないでしょうか。
実際の制作フローは、撮影のみで完結する場合、3DCGをオリジナルで作っていく場合、それぞれ次のとおりです。
撮影のみで完結する場合はシンプルな流れとなります。一方、3DCGをオリジナルで作っていく場合には辿るステップが増えますので、十分な制作期間を設けていただく方が良いでしょう。
【VR制作フロー:撮影のみで完結する場合】
撮影する場所や日程を決める→撮影→埋め込むコンテンツを組み込み→公開
【VR制作フロー:3DCGをオリジナルで作っていく場合】
空間のデザイン→空間の制作→VR空間のUIデザイン→VR化→公開w
Q7. VRの企画や制作は、どういった会社に頼めばいいですか? |
制作する内容が明確で社内でハンドリングできる場合は、直接VRの制作会社様に問い合わせて進めていくことをおすすめします。
施策の目的は決まっているが制作する内容が固まっていない場合や、目的に対してVRをどう活用すればよいかがわからない場合には、まずはマーケティング目線でVR活用のプランニングができる会社に依頼する必要があります。
ADDIXにお問い合わせいただくケースは、後者がほとんどです。ADDIXではVR活用のプランニングから、制作手法や制作会社の選定を含む全体の企画をご提示できます。制作会社への発注やディレクションを代行も対応可能です。
まとめ |
VRを制作する会社はコロナ禍でのニーズもありかなり増えており、各社さまざまなサービス提供を行なっています。
一方、VRの活用を模索したいが自社のビジネスにどう関連づければいいのか?どのような制作手法を取ることがベストなのか?といった総合的な判断を自社でできる企業はまだ少なく、マーケティング目線でVR活用の企画を提案できる制作会社も限られています。
ADDIXは創業以来、300社を超える企業様のSNSアカウント運用やプロモーション企画に携わり、数多くのデジタルマーケティング施策を提案・実行してきました。DX実行支援企業としての立ち位置から、企業が成果を出すためのVR活用をサポートできます。
これからVRの活用をスタートしたいとお考えの企業様は、ぜひご相談ください。
本記事の回答者
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株式会社ADDIX
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※本記事内の情報や部署名・所属等は記事公開時点(2021年4月)現在のものです。
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