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Twitterでの影響力を比較分析!Google感情分析による「デジタル影響力スコア」ー政治家アカウント比較編ー

Posted by ADDIX on Dec 24, 2021 4:42:30 PM

デジタル化が進み、人々が情報をキャッチするメディアは、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアからTwitterなどのSNSへと変わってきています。この変化を受け企業や著名人の活動も、SNSを効果的に活用することが求められるようになりました。中でも情報拡散に適したSNSであるTwitterは、今や情報発信に欠かせないプラットフォームとなっています。

ADDIXは、企業の公式アカウントから発信された情報の効果を測るために、統計解析やGoogleAPIを用いたSNS分析をご提供しています。一例として今回は、データを軸に自社プロダクト開発や事業会社の支援を行うデータアセットマネジメントユニットにてデータ分析を担う、2021年新卒入社メンバーによる分析記事をご紹介します。

今回の分析では著名人の中から「政治家」をピックアップし、Twitterの比較分析を実施しました。政治家の発信が多く、かつ収集できるデータが豊富なTwitterであれば、多角的に政治家の影響力を見ることができると想定し、Twitterの複数構成要素から独自指標を算出して「デジタル影響力スコア」としています。その分析結果を「番付表」としてランキング形式でご紹介します。

※敬称略
※本記事では、統計解析(今回はPythonを使用)やGCP(Google Cloud Platform)の「Natural Language API」の感情分析を用いた「Twitter競合分析」の一例として、スコアおよび番付表をご紹介しています。
※記事内では、GCP(Google Cloud Platform)の「Natural Language API」による感情分析を「Google感情分析」と記載しています。
※掲載内容は、あくまでも調査実施(2021年11月22日)時点で、対象となったTwitterアカウント、および、各アカウント名が言及されたツイートについての調査・分析結果であり、各氏に対する評価・評論ではありません。あくまでも、分析例の参考データとしてご覧いただけますと幸いです。


執筆・分析:

株式会社ADDIX DXソリューションサービス事業部
データアセットマネジメントユニット データプラットフォームチーム 柳原健志



Twitterは政治家の活動にどの程度影響を与えている?

 

国民全体の約8割がSNSを使っている日本において、SNSは政治家と有権者をつなぐ効果的なプラットフォームだと考えられます。

SNSにおける活動は、実のところ政治活動にどの程度影響力を持っているのでしょうか。SNSでの活動と2021年10月31日投開票の衆議院議員総選挙における選挙結果との関連を分析してみました。


今回はSNSのうち、もっとも情報が拡散されやすく、意見の発信に利用されているSNSである「Twitter」について分析を行いました。

まず、政治家Twitterアカウントの「フォロワー数」「ツイート頻度」「1ツイートあたりのエンゲージメント数」の各指標を分析したところ、それぞれの指標で結果が異なっていました。そこで、指標の3つを1つにまとめた独自指標である「デジタル影響力スコア」を作り、総合的な評価を試みました。

さらにこの「デジタル影響力スコア」に、被言及ツイート(※政治家の氏名が含まれたツイート)のGoogle感情分析(※)を行った結果を付加した「【改】デジタル影響力スコア」を算出し、結果を分析していきます。

※本記事では、GCP(Google Cloud Platform)の「Natural Language API」による感情分析を「Google感情分析」と記載しています。

Twitter_analytics_スコア構成要素


「デジタル影響力スコア」番付表

 

政治家のTwitterアカウントのデジタル影響力スコアの結果を確認していきます。今回は、Twitter分析の結果を、相撲の番付表にならって「デジタル影響力スコア」番付表として紹介します。

Twitter_analytics_デジタル影響力スコア番付表

<本表での番付分類>
横綱:スコア1.0以上
大関:スコア0.8以上
関脇:スコア0.6以上
小結:スコア0.4以上

「デジタル影響力スコア」番付表 詳細 ※全17アカウント
<横綱>
安倍晋三(自由民主党)2.00 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
河野太郎(自由民主党)1.60 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
高市早苗(自由民主党)1.14 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
立花孝志(NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)1.04 ※2021年は選挙なし(2016年参院選で比例当選。)
<大関>
吉村洋文(日本維新の会)0.89 大阪府知事
<関脇>
長島昭久(自由民主党)0.75  ※2021年10月の衆院選で小選挙区落選・比例代表当選。
辻よしたか(公明党)0.64 大阪市会議員
蓮舫(立憲民主党)0.61 ※2021年は選挙なし(2016年参院選で選挙区当選)
玉木雄一郎(国民民主党)0.60 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
<小結>
小川淳也(立憲民主党)0.56 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
福島みずほ(社会民主党)0.54 ※2021年は選挙なし(2016年の参院選で比例当選)
山本太郎(れいわ新選組)0.53 ※2021年10月の衆院選で比例当選。
志位和夫(日本共産党)0.49 ※2021年10月の衆院選で比例当選。
佐藤正久(自由民主党)0.47 ※2021年は選挙なし(2019年の参院選で比例当選)
菅義偉(自由民主党)0.44 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
足立康史(日本維新の会)0.44 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
小沢一郎(立憲民主党)0.43 ※2021年10月の衆院選で小選挙区落選・比例当選。

太字は2021年11月22日時点での党代表。
※名前の記載はTwitterアカウントでの表記に統一。


【「デジタル影響力スコア」算出方法】
1.対象とした53名のTwitterアカウントについて「フォロワー数」「ツイート頻度」「1ツイートあたりのエンゲージメント数」を調査し、構成要素とする
2.各構成要素を、最大値を1、最小値を0のスケールに換算し、各構成要素特有の桁数を取り除く
3.アカウントごとに指標を加算。合計値を「デジタル影響力スコア」とする


【分析対象】
Twitter日本 「政治家・議員」フォロワー数ランキングのTop100から、政党に所属する議員(国会議員、地方議員)および地方自治体首長(※2021年11月22日時点)を抽出。計53名のTwitterアカウントを分析対象とした 対象者の所属政党は、自由民主党27名、立憲民主党14名、日本維新の会3名、日本共産党3名、公明党2名、国民民主党1名、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(以下、NHK党)1名、社会民主党1名、れいわ新選組1名。

 

結果の分析
まずは番付表に入った政治家の選挙結果を見ていきましょう。
番付表にラインクインした17名のうち、今回の衆議院議員総選挙に立候補していたのは11名。うち2名は小選挙区で落選(比例区で当選)しています。番付に入ったアカウントは全53アカウント中のTop20以内に入っており、Twitterでの影響力が強いと考えられますが、現実の当落とは密接には関連付いていないようです。

また「れいわ新選組」「社会民主党」「NHK党」といった国会議席数が10以下である政党の党首が、番付表にランクインしています。小規模政党であるほど党首の有名度が党の命運に直結していることが伺えます。

ただし、党首のスコアの高さが政党の支持度と連動するわけではないようです。たとえば、NHK党は代表・立花孝志氏の「デジタル影響力スコア」が横綱級ですが、2021年10月31日投開票の衆議院選挙では同党の議席獲得は果たせていません。

 

 

名前が言及されたツイートが多いのは?Google感情分析で検証

 

「デジタル影響力スコア」は、政治家自身のTwitterアカウントの運用に焦点となっていました。そこで、Twitterユーザーの各政治家に対する反応を評価に反映するため、新たに構成要素を追加した「デジタル影響力スコア【改】」が次の表となります。

追加する構成要素は、Google感情分析を用いた「被言及ツイートの感情スコアの絶対値の合計値」としました。ポジティブ・ネガティブ問わず、感情的なツイートが多いほどスコアが高くなります。

 

【「被言及ツイートの感情スコアの絶対値の合計値」算出方法】
1.対象者のTwitterアカウント名の名前を検索キーワードにして、Twitterにて被言及ツイート(※その政治家の名前に言及しているツイート)を検索
(例1・アカウント名:山口なつお→山口なつおで検索)
(例2・アカウント名:立花孝志 「NHK党」党首 【NHKをぶっ壊す!】→立花孝志で検索)
2.収集した被言及ツイートをGoogleの感情分析にかける
3.各アカウントごとに、被言及ツイートの合計ポジティブスコアと合計ネガティブスコアを算出する
4.合計ポジティブスコアと合計ネガティブ感情スコアを絶対値で合算。新たな構成要素とする


新たな構成要素の収集ができたら、デジタル影響力スコアと同じ工程を踏みスコアを作成します。


【「デジタル影響力スコア【改】」算出方法】
1.対象とした53名のTwitterアカウントの「フォロワー数」「ツイート頻度」「1ツイートあたりのエンゲージメント数」と、新たに算出した「被言及ツイートの感情スコアの絶対値の合計値」を構成要素とする
2.構成要素を、最大値を1に最小値を0のスケールに換算し、各構成要素特有の桁数を取り除く
3.アカウント別に構成要素を加算し、合計値をアカウント別の「デジタル影響力スコア【改】」とする

 


「デジタル影響力スコア【改】」番付表

 

デジタル影響力スコア【改】の結果を確認していきましょう。

Twitter_analytics_デジタル影響力スコア改番付表

<本表での番付分類>
横綱:スコア2.0以上
大関:スコア1.8以上
関脇:スコア0.8以上
小結:スコア0.6以上
※構成要素がひとつ加わったため、各番付の分類基準値は「デジタル影響力スコア」番付表の基準値とは異なる。

「デジタル影響力スコア【改】」番付表 詳細 ※全19アカウント
<横綱>
安倍晋三(自由民主党)2.99 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
河野太郎(自由民主党)2.55 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
高市早苗(自由民主党)2.08 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
<大関>
小沢一郎(立憲民主党)1.43 ※2021年10月の衆院選で小選挙区落選・比例当選。
山本太郎(れいわ新選組)1.35 ※2021年10月の衆院選で比例当選。
立花孝志(NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)1.30 ※2021年は選挙なし(2016年参院選で比例当選。)
小川淳也(立憲民主党)1.27 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
岸田文雄(自由民主党)1.07 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
玉木雄一郎(国民民主党)1.06 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
<関脇>
長島昭久(自由民主党)0.94 ※2021年10月の衆院選で小選挙区落選・比例代表当選。
吉村洋文(日本維新の会)0.92 大阪府知事
山田太郎(自由民主党)0.82 ※2021年は選挙なし(2019年の参院選で比例当選)
<小結>
枝野幸男(立憲民主党)0.78 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
松井一郎(日本維新の会)0.78 大阪市長 
志位和夫(日本共産党)0.75 ※2021年10月の衆院選で比例当選。
福島みずほ(社会民主党)0.72 ※2021年は選挙なし(2016年の参院選で比例当選)
蓮舫(立憲民主党)0.71 ※2021年は選挙なし(2016年参院選で選挙区当選)
足立康史(日本維新の会)0.64 ※2021年10月の衆院選で小選挙区当選。
辻よしたか(公明党)0.64 大阪市会議員

太字は2021年11月22日時点での党代表。
※名前の記載はTwitterアカウントでの表記に統一。


新たに算出した「デジタル影響力スコア【改】」と先程の「デジタル影響力スコア」を比較すると、こちらでは2021年10月総選挙に立候補した顔ぶれが上位にきています。

また4名が新たに加わっています。加わったのは、現職総理大臣である岸田文雄(ランク外→8位)、参議院議員であり「表現の自由を守る会」の活動で知られる山田太郎(36位→12位)、立憲民主党の前代表である枝野幸男(33位→14位)、日本維新の会代表で現職大阪市長でもある松井一郎(ランク外→14位)です。
 
山田太郎、枝野幸男の両氏に対しては、感情を伴うツイートで多く言及されており、今回の番付表で順位を上げました。枝野氏は立憲民主党代表として共産党との共闘で2021年10月の衆院総選挙に臨みましたが、議席数を減らす結果となり代表を辞任しています。この経緯から、感情的なツイートが多かったものと推測されます。そういった意味では「デジタル影響力スコア【改】」に追加された、感情分析による構成要素は、Twitterユーザー、いわばある一定の世間の評価を捉えた指標と言えそうです。

また今回の番付表では、「横綱」は自由民主党所属の政治家のみでした。Twitterの中においても、政権与党である同党が存在感を発揮しています。


今回行ったTwitter分析の振り返り

 

今回のTwitter分析では、政治家の「Twitterにおける影響力」のスコア化を行いました。Twitter分析では、どの指標を構成要素として取り上げるのかが重要です。

□構成要素の選択について
デジタルでの活動がオフラインの行動にどのように影響を与えているのかを把握するためには、目的に沿った構成要素の選択と今後はTwitter以外のデータソースの強化により、より目的に沿った分析に近づくと思われます。

□スコアの加算方法について
今回は重みづけを入れずに行いましたが、構成要素にも重要度に差異があると考えられるため、今後は構成要素ごとに重みをつけて1つの指標にまとめることも検討します。

□被言及ツイートの感情スコアの絶対値の合計値について
今回は被言及ツイートを検索する際に、各政治家のTwitterアカウント名での検索を行いました。しかし同姓同名の人物がいたり、Twitterアカウント名でツイートしているアカウント層がどのような層であるかわからないなどの課題がありました。今後は機械学習を用いて、被言及ツイートの正確な判別を試みていきたいと考えています。

 


<付表>「デジタル影響力スコア」算出に用いた各構成要素のランキング表

※ランキング表での名前の記載はTwitterアカウントでの表記に統一。


構成要素(1)フォロワー数


Twitter_analytics_フォロワー数Top10

ランクインした政治家を見ていくと、マスメディアで取り上げられることの多い顔ぶれです。マスメディアで見かける政治家は知名度があり関心を集めやすいため、フォロワー数も多くなる傾向にあると考えられます。

この結果からは、Twitterのフォロワー数自体が政治活動に影響を与えるのではなく、政治活動の結果としてフォロワー数がついていくことがうかがえます。

 

構成要素(2)ツイート頻度(直近1カ月のツイート数)


Twitter_analytics_ツイート頻度(直近1カ月のツイート数)Top10

「ツイート頻度(直近1カ月のツイート数)」では、「フォロワー数」とはランクインの顔ぶれが大きく異なっています。両ランキングでTop10にランクインしているのは蓮舫氏の1名という結果でした。



構成要素(3)1ツイートあたりのエンゲージメント数

 

Twitter_analytics_エンゲージメント数Top10


「1ツイートあたりのエンゲージメント数」は、「フォロワー数」のランキングに近い顔ぶれです。フォロワー数が多いとツイートを見る人も相応に多くなるため、その分エンゲージメントの絶対値も増えることが考えられます。実際に分析すると、フォロワー数とエンゲージメント数には相関関係がありました。

 

 

構成要素(4)被言及ツイートの感情分析スコアの絶対値の合計

 

Twitter_analytics_被言及ツイートの感情分析スコアTop10


「被言及ツイートの感情分析スコアの絶対値の合計」Top10は、自由民主党が5名、立憲民主党が4名、れいわ新選組1名という結果でした。

感情的なツイートでの言及が、与野党の第一党である自由民主党と立憲民主党の議員に集中していることがうかがえます。

※算出方法は、前掲の「被言及ツイートの感情スコアの絶対値の合計値」算出方法」参照。

まとめ


今回はTwitter分析の例として、複数の視点からTwitter上での政治家アカウントの影響力を見ていきました。

Twitterでの「フォロワー数」「ツイート頻度」「1ツイートあたりのエンゲージメント数」のランキング結果はそれぞれ異なっていました。そのため3つの要素を1つにまとめた独自指標「デジタル影響力スコア」を作り、Twitterにおける影響力の総合的な評価を行いました。

さらにGoogle感情分析による「被言及ツイートの感情分析スコアの絶対値の合計」を構成要素に加えた「デジタル影響力スコア【改】」では、Twitterアカウント名の揺らぎなど課題はあったものの、2021年10月総選挙を党首や立候補者として戦い、話題となった顔ぶれが上位となりました。2021年11月22日調査時点のため、選挙結果後にツイートされたことも影響があり、世間の注目度を捉えた指標と言えそうです。

今回はTwitterのみをデータとして活用しましたが、今後はデータソースの強化、機械学習の実施を行うことで、さらに精度を高めていく予定です。

多くの人々がSNSを日常的に使用し、情報収集手段のデジタル化が進む今日において、デジタルを活用したPR活動は今後ますます重要度を増していくと考えられます。
 
ADDIXでは、Twitterアカウントの競合分析やTwitterでの口コミ感情分析など、GoogleAPIや解析ツールを用いた精度の高いSNS分析をご提供しています。Twitterアカウントの運用について何か課題がおありでしたら、お気軽にご相談ください。




■プロフィール

株式会社ADDIX DXソリューションサービス事業部
データアセットマネジメントユニット データプラットフォームチーム 柳原健志

2021年に新卒でADDIXに入社。データの観点から自社プロダクト(FARO)の開発や他企業の支援を行うデータアセットマネジメントユニットに所属し、PythonやRを用いたデータ分析や開発を担当している。

 

 

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Topics: データアナリティクス