LINE公式アカウントを集客に活用するメリットとしては、次のようなものがあります。
LINE公式アカウントの開設には、以前は多額の費用が必要でした。2019年4月の旧LINE@との統合後、新料金プランでは無料で始めることができるようになっています。フリープランでの公式アカウントの豊富な基本機能が利用可能。予算の少ない企業や店舗こそ、LINE公式アカウントを集客に活用していくことがおすすめです。
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20190418-1/)
企業や店舗のアカウントと友だちになった人へのアンケートでは、40%以上の人が(友だちになってから)「企業・店舗から送られてきたクーポンを利用した」「クーポン目当てで、サービスや店舗を利用した」と答えています。
友だちになるユーザーは、もともとその企業や店舗のファンであったり、愛用していたりする人が多い傾向があります。また、普段から多くのユーザーがプライベートのコミュニケーションに利用するLINEアプリを活用するため、メッセージに目を通してもらえる確率が高いことも、LINEならではのメリットです。
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20190426-1/)
出典:マクロミル社・インターネット調査(2019年1月実施/全国15~69歳のLINEユーザーを対象 サンプル数2,060)
期待できるのは、スポット的な一過性の集客効果だけではありません。LINE公式アカウントの友だちになったユーザーと、チャット形式のメッセージを通して日々コミュニケーションを積み重ねていくことは顧客エンゲージメントを高める効果があります。
その結果、クーポンやセールなど集客目的のお知らせへの反応率もさらに上がり、リピーターも増え続けていくなど好循環につながっていきます。
2.LINE公式アカウントを活用した集客手法 |
LINE公式アカウントでの集客施策として、もっともよく行われるのはクーポンの配信です。
LINE公式アカウントの基本機能によって発行したクーポンをそのまま通常のメッセージで配信する以外に、リッチメッセージを活用したクーポン配信も可能です。
【クーポン配信例:通常メッセージ】
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20190926/)
【クーポン配信例:リッチメッセージ+通常メッセージ】(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20180426-02/)
【クーポン配信例:通常メッセージ+スタンプ+リッチメッセージ】
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20180918-01/)
クーポン活用事例
その日だけ使える「雨の日」ク―ポンで来店誘導!「一風堂」
人気ラーメンチェーン「一風堂」は、国内の全店舗でLINE公式アカウントを運営し、ユニークなイベント企画やクーポンで集客施策を実施。「全店」「エリア別」「店舗」の3つの配信を使い分けています。
「店舗」配信のLINE限定クーポンの例では、「雨の日は替玉1玉無料」となる「雨玉」があります。神奈川県の「たまプラーザ店」が企画したアイデアで、成功を受けて別の店舗でも実施するようになりました。
ある時は、たまプラーザ店のその日の来店者約700人のうち100人程度がクーポンをきっかけに来店するなど、客数の増加にもつながりました。雨の日当日だけしか使えないこともあり、非常に即効性があり来店誘導の効果も高い施策クーポンです。
【店舗で配信する「雨玉」クーポンの例】
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/case-study/ippudo/)
クーポンとともに来店施策として効果が高いのはキャンペーンの実施です。LINE公式アカウントの友だち限定でキャンペーンを実施することで、来店促進と同時にLINEの新規友だち獲得の効果もあります。
キャンペーン実施には、サイトを0から構築して実施する方法のほか、手軽に低コストで導入できるキャンペーンツールの活用も可能です。
キャンペーンツール活用事例
招待券や食事券が当たるキャンペーンで来店誘導!「アソビル」
横浜の体験エンタメ施設・アソビルでは、2019年12月から2020年1月に実施した年末年始の来館促進キャンペーンに、デジタルスクラッチくじキャンペーンツール「FAROスクラッチ」を採用。LINE公式アカウントの友だち限定キャンペーンによる来店施策を実施しました。
デジタルスクラッチくじの当選賞品として、アソビルで開催するイベントの無料招待券や、館内レストランで使える100円OFFクーポンを配布。キャンペーンをフックに施設への来館をうながしました。
このようなキャンペーンツールを活用した来店促進は、商業施設のほか水族館や遊園地などの娯楽施設でも有効です。
【LINE公式アカウントからのキャンペーン告知】
(※画像出典:ttps://bwrite.biz/archives/17911)
【スクラッチくじキャンペーンのフロー】
(※画像出典:https://blog.addix.co.jp/20271)
LINE公式アカウントの基本機能・LINEチャットとは、アカウントを運営する企業・店舗などが自社アカウントの友だちになっているユーザーと、LINEのトーク機能でコミュニケーションできる機能です。普段ユーザー同士がプライベートで行うLINEでのコミュニケーションと同じように、1対1で自由にメッセージを送り合うことができます。
LINEチャット活用事例
チャットでの予約受付導入で売上3~4割アップ!「鉄板バル bloom」
東京・西荻窪駅にほど近い場所にある鉄板焼店「鉄板バル bloom」では、LINE公式アカウントのチャット機能を利用して、予約受付やテイクアウトの注文受付、問い合わせ対応を行っています。
同店ではLINE公式アカウントで予約受付を開始して、開始前と比べ売上が3~4割もアップ。予約をきっかけに頻繁にメッセージを送ってくるようになったユーザーとチャットでのコミュニケーションを通じて信頼関係が構築できたことで、来店する頻度も増え、客単価もアップする結果につながりました。
【LINEチャット活用例】
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/case-study/bloom/)
LINE公式アカウントのショップカード機能は、LINEアプリ上でポイントカードを作成するものです。ユーザーは、LINEアプリ経由でポイントをためることが可能なため、紙のカードを取り出して提示するわずらわしさから解放されるメリットがあります。
店舗側にとっては、ポイントカード制作のコストを削減するほか、LINE公式アカウントで実施するキャンペーンとの連動効果や、管理画面からカードの利用状況の分析が可能というメリットがあります。
【ショップカードの例】
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20190627-01/)
ショップカード活用事例
リピート促進によるチラシ廃止でコスト削減「蔵前温泉 さらさのゆ」
大阪にある温泉施設「蔵前温泉 さらさのゆ」は、若い年代層へのアプローチを目的としてLINE公式アカウントをスタート。ショップカード機能を活用しています。
ショップカードではポイント数によって獲得できる特典を用意。特典内容は、5ポイントで入浴料金150円割引券、10ポイントで岩盤浴大人無料券、15ポイントで入浴料金大人無料券といったものです。
ショップカード導入から90日程度の時点で、もっとも多い人では既に86ポイントも貯めている人も。特典目的だけではなく、ポイントを貯めること自体に楽しさを感じさせることによってリピートを促進しているようです。
また、LINE公式アカウントによって顧客との継続的なタッチポイントができたため、それまで集客施策として実施していた折り込みチラシを廃止。販促費用の大幅ダウンを実現しました。
(※画像出典:https://www.linebiz.com/jp/case-study/sarasanoyu/)
LINE公式アカウントを活用した店舗での集客、リピート促進手法を、実際の事例とともにご紹介しました。
LINE公式アカウントを通じた来店施策というとクーポンなどのスポット的な施策を思い浮かべがちですが、成功事例からは有効な施策は必ずしもそれだけではないことがうかがえます。その共通点は、「顧客の利便性を高めること」、「顧客とのコミュニケーションを増やすこと」を目指して施策が工夫されていることです。
LINE公式アカウントならではのメリットを生かして、施策実施が顧客との信頼関係につながるような企画を立てることが重要と言えそうです。