日本で、Instagram上に広告が本格的に配信されるようになって、この10月で1年が経ちました。Instagram上に広告が表示されることが当たり前となった今、女性たちは、広告に対して、どう感じているのでしょう。年代別での違いも含めて、探りました。
インスタ利用者「タイムラインになじんでいれば広告は気にならない」が半数超え。
まず前提として、今回の調査での、Instagramのアカウントを持っている女性の割合を見てみましょう。18~29歳では、実にその6割超がアカウントを所持しています。年代が上がるごとに利用率は下がりますが、40代以上でも4割弱がアカウントを持ってます。Instagramが、若い年代だけではなく、多くの女性たちの日常に入り込んでいる様子が見て取れます。
では、Instagramを利用する女性たちは、Instagram上に広告が表示されることについて、どう感じているのでしょうか。
「Instagram上に表示される広告について、どう感じていますか」と質問したところ、「タイムラインになじんでいれば気にならない」という回答がどの年代も一番多く、この傾向については、年代による違いはさほど大きくないように見受けられます。Instagram上の広告については、タイムラインになじんでいるかどうかが成否を分けるポイントとなるようです。
また、「タイムラインになじんでいれば気にならない」「どういう投稿でも全く気にならない」「あまり気にならない」を合わせると、実に8割超の女性がInstagram上の広告は気にならないと答えています。この結果からは、特に違和感を感じる内容ではない限りは、Instagram上の広告に関して、否定的なイメージを持たない女性が多いと推測できます。
18~29歳は「クリック」「フォロー」、30代は「いいね!」で、広告に反応。
では、広告に対して、彼女たちはどんな反応をしているのでしょうか。
グラフからは、年代が上がるにつれ、広告に対する反応が減少する傾向が明らかです。
18~29歳の若い年代の女性は、「リンクをクリックした」「その企業のアカウントをフォローしたいと思った」「『いいね』を押した」など、ネットでの行動を積極的に行っているようです。
30代は、「『いいね』を押した」人の割合が全ての年代で最も多いようです。若い年代に比べて、リンクをクリックしたり、その企業のアカウントをフォローしたり、といった積極的な行動はしないものの、「いいね!」を押すくらいなら抵抗がないという、この年代のネットとの付き合い方が推測できます。
一方、40代以上になると、広告への反応全体が鈍化。広告に対して何も行動しない人の割合が半数を超えています。ただし、「『いいね』を押した」「リンクをクリックした」はそれぞれ10%を超えており、気になる広告であれば反応する、という女性も一定の割合で存在しているようです。
印象の良かった広告は、「コスメ」「ファッション」「フード・ドリンク」。
印象が良かった広告のジャンルを見てみると、1位が「コスメ」、2位が「ファッション」、3位が「フード・ドリンク」という結果になりました。ビジュアルでアピールすることを得意とするジャンルが上位を占めましたが、見方を変えると、もともとInstagramには、これらのジャンルに興味のある女性ユーザーが多い、ということも出来そうです。
寄せられたコメントからは、年代別の特徴も伺えます。18〜29歳は「お洒落、美味しそう、簡単そう」などのイメージにひかれることが多く、30代以上は「自分が買いたいものなら興味を持つ」という傾向があるようです。
【自由回答コメント抜粋:コスメ】
「【企業名/ブランド名】イブサンローラン【広告の内容】化粧品【興味を持った理由】動画がお洒落(18〜29歳/パート・アルバイト)」
「【企業名/ブランド名】資生堂【広告の内容】新製品【興味を持った理由】コスメを買いたいと思っていたので(30代/フルタイム勤務)」
【自由回答コメント抜粋:ファッション】
「【企業名/ブランド名】mayla classic【広告の内容】靴【興味を持った理由】おしゃれなキャッチコピーとともに写真の靴がとてもかわいかった。(18~29歳/パート・アルバイト)」
「【企業名/ブランド名】GU【広告の内容】クーポンが取得できる旨の広告【興味を持った理由】ちょうど買い物したかったから(40代以上/専業主婦)」
【自由回答コメント抜粋:フード・ドリンク系】
「【企業名/ブランド名】記憶に無い【広告の内容】カフェ【興味を持った理由】美味しそうだったので(18~29歳/フルタイム勤務)」
「【企業名/ブランド名】DELISH KITCHEN【広告の内容】バームクーヘンの作り方【興味を持った理由】ちょうど、キャンプでバームクーヘンを作ろうと思っていたから(40代以上/専業主婦)」
ターゲティングとビジュアル設計が成功のカギ。ただし、年代ごとの効果検証は必須。
Instagramユーザーの女性たちは、日頃から興味を持つジャンルのアカウントをフォローして、情報収集をしたり、鑑賞して楽しんだりしています。そのため、自身のタイムラインの中で違和感のないものであれば、「広告」も情報のひとつとして、好意的に受け止める傾向があるようです。
そして、その前提を踏まえた上で、さらに想定ターゲットの年代にも気を配ることが重要なようです。「イメージ重視」の若い世代では、ビジュアル訴求によって、新たなニーズを喚起することも可能なように見受けられます。一方、30代以上では、広告への積極的な反応は鈍化しますが、「実用重視」の傾向があり、もともとユーザー自身が欲しいと思っていたものであれば一定の効果を得られる可能性がありそうです。
想定ターゲットに対して、Instagramという場所で広告を行うことがどういう意味を持っているのか。広告の効果について、事前にきちんと検証することの大切さがあらためてわかる結果といえそうです。
text/田村未知
<調査概要>
「Instagram広告についての意識調査2016」(調査実施:BWRITE)
【実施期間】
2016年9月1日(木)~9月8日(木)
【調査対象・人数】
18歳以上の「Skets」会員女性 200名(有効回答)
【調査方法】
WEBアンケート方式
【アンケート収集元】
共創コミュニティサービス「Skets」
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