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DXによる新規事業を成功に導くための「数値設計」ロジカルな数字の重要性とは?

Posted by ADDIX on Jul 19, 2021 11:28:00 AM

コロナ禍によってDXが加速し、多くの企業がDX領域での新規事業創出に取り組んでいます。しかし「DXに成功している日本企業は14%」というデータ(※1)もあり、成功には壁があるようです。

「DXによる新規事業の成功は、『数値設計』にかかっています」。
DX実行支援企業ADDIXにて、新規事業の開発、推進、実行支援を担当するソリューション事業部 ビジネスプロデュースユニット CX開発のビジネスアナリスト 清水が、事業を成功へ導く「数値設計」について語ります。

インタビュー対象者:株式会社ADDIX ソリューション事業部 ビジネスプロデュースユニット CX開発 ビジネスアナリスト 清水 正之介

※本記事内の情報や部署名・所属等は記事公開時点(2021年7月)のものです

(※1)出典:ボストン コンサルティング グループ「デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査」2020年10月28日発表
https://www.bcg.com/ja-jp/press/28october2020/14-percent-japanese-companies-succeeded-digital-transformation-comprehensive-strategy



 

新規事業の事業計画で、もっとも重要なのは「ロジカルな数値設計」

―日本国内でもDXによる新規事業に取り組む企業は増えていますが、「成功している」と言える企業はいまだ限られています。

ビジネスアナリストとして、実際に企業の新規事業推進をサポートする中で、新規事業を成功させるには何が重要だと思われますか。

 

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(株式会社ADDIX ソリューション事業部 ビジネスプロデュースユニット CX開発 ビジネスアナリスト

清水 正之介)


株式会社ADDIX ソリューション事業部
ビジネスプロデュースユニット CX開発 ビジネスアナリスト 清水 正之介(以下、清水):

国内企業がDXや新規事業開発を取り組み始めたのは、まだここ数年のことです。ですので、長期的に見て、本当に事業が成功したかどうかはまだ判断できない段階ではありますし、そもそも成功をどう定義するのかも難しいかと思います。

その前提で、新規事業をスタートして軌道に乗せ、数年後に目標数値を達成できるかどうか?ということを考えると、事業計画をどれだけロジカルに「数値設計」出来ているかが重要なポイントです。

新規事業を立ち上げる際は必ず事業計画が作成されますが、その内容は様々です。とはいえ、事業計画の中で最も重要なポイントが「数値設計」であることは共通しています。

 

「数値設計」は数字によって語られた事業計画のストーリー

―なぜ、新規事業の事業計画の中で「数値設計」がもっとも重要なのでしょうか?

清水:
事業の成功を「目標の達成」と捉えた場合、達成できるかどうかは「数値設計」に直結します。

「数値設計」は、数字によって語られた事業計画のストーリーです。

「事業スタートから何年で黒字化するのか」「5年後の収益はどのくらいなのか」「どのマネタイズポイントからの利益が、どう増えていくのか」といった事業成長の道筋を、各事業ごとの売上や費用、収益の予測など数字を細かく積み上げて描いていきます。
戦略と数値が紐付いていますから、収益などの目標を達成するための道筋が明確なります。

これから始まる新しい事業ですから、初期の段階では費用や売上の正確な数字はわかりません。そこで大切なのは、「数値設計」を論理的な裏付けを持って話せるかどうかです。



「数値設計」に論理的な裏付け持たせる「3つのプロセス」 

―具体的には、どのように数値設計を行っていけばよいのでしょうか。

清水:
「数値設計」に裏付けを持たせるには、それぞれの数字を論理的な根拠に基づいて設定することが必要です。

大まかにまとめると、次のようなプロセスで数字を見極めていきます。

1.必要データの収集
2.調査に基づく数値の妥当性の検討
3.達成に向けた筋道と数字とのバランス調整

 

1.必要データの収集

まず大前提として、業界平均や過去の実績、他社事例、各種の統計調査等、その事業の数値設計を行うために必要なデータを収集し、数字の裏付けとなる調査を実施します。

2.調査に基づく数値の妥当性の検討



調査が終わったら、調査結果を踏まえて数値の妥当性を検討していきます。

たとえば、既存事業の収益をベースに「デジタルだから、これくらいは達成できるはず」などと感覚に基づいた収益目標が設定されている場合、その目標に基づくKGIやKPIなどの指標も現実と乖離した数字になっており、達成がそもそも不可能ということがあります。
調査に基づいて数字を見ることで、そのような失敗は避けられます。

 

3.達成に向けた筋道と数字とのバランス調整

最後に、目標達成へ向けた実行プロセスは適切か、設定した数字が達成へのプロセスと紐づいているかを確認し、数字のバランスを整えます。

 

目標の達成の確度を高める、ビジネスモデルや体制の可視化

―目標達成への実行プロセスが適切かどうかは、どうすれば確認できますか?

清水:
達成に向けた筋道と数字のバランスを「可視化」することで、確認することができます。

目標達成に向けた実行のステップまで細分化して、設計した数値目標を再検討してみると、ここがおかしい、ここが不足している、といったこともわかってきます。計画が甘い部分は叩いて、まだまだ伸ばせる部分やもっと効率化できる部分を見定めて、予算配分を検討し直してみたり、調整を細かく行っていきます。

またその際は、ビジネスモデルのブラッシュアップも欠かせません。
ビジネスモデルを設計したものの、実は「マネタイズポイントの明確化」が抜けていた、というケースが実はよくあります。たとえば、「こういう事業をやります」「これだけ会員を集めます」というモデルは決まっているものの、何で収益を得るかが明確になっていない場合などです。

収益は誰からどのタイミングで、何から得ていくのか。サブスクリプション型なのか、広告なのか、ECなのか、データ販売なのか。それによって、成長のための戦略も、収益金額や伸び幅も大きく違ってきます。

達成への筋道に必要な体制の洗い出しも重要です。
体制構築が済んでおり、すでにプロジェクトメンバーの座組みが出来ている場合でも、実は、実行フェーズで必要な担当メンバーが揃っていなかったというケースもあります。

たとえば、「アプリの開発」が決まったが、チームの体制に組み込んだ開発会社には、実は「このアプリの設計は、サービスの観点から見てどうあるべきなのか?」を考えられるスキルを持った人材がいなかった、といった場合です。

同様に、「UX」の担当が必要なのに「UI」スキルを持った人しかいない、データ基盤の設計が必要だが、アサインしたシステム担当は実はデータは専門外でわからない、といったケースもあります。

計画と実際との差異が大きい場合には、設計した数値目標からのズレも大きくなります
ビジネスモデルのブラッシュアップや体制の洗い出しによって、可能な限りこの差異を少なくすることが、目標の達成につながっていきます。

 

ADDIXは「目標達成」に向けて、共に実行していく「DX実行の伴走パートナー」

―実際のご支援では、どのように数値設計を進めていくことが多いでしょうか。

清水:
私たちADDIXのご支援では、現場目線の数字をベースに、現場責任者に伴走しつつ、ロジカルに事業計画をブラッシュアップしていきます。具体的には、現場責任者の方だけではなく、経営層の方などもも交えて、一緒に計画を詰めていくことが多いです。

体制の面では、すでにある座組の中で足りていない場合には、そこに私たちADDIXのメンバーが担当として入って、その役割を埋める場合もあります。私たちだけでは足りない場合には、さらに外部のパートナーを体制に加えることもあります。

DX推進の責任者や担当者、新規事業の責任者などをご支援してきて感じるのは、「どう実行するか」が手探りの状態でも、会社からは結果を求められる立場にあるため、ご担当者が、解決の糸口が見つからずに悩まれているケースがとても多いということです。

ですので、我々ADDIXのような、お客様と伴走して開発フェーズから実行まで丸ごと全部相談できる会社は、お客様にとっては、DX事業のパートナーとして大事なのではないかと感じています。

「お客様」と「支援する側」ではありますが、パートナーとしての関係性が出来てくると、段々と一緒に事業を進めていく1つのチームのメンバーのようなイメージになっていきます。そういった時には事業がうまくいくことも多くなりますし、私たちにとってもやりがいがありますね。

 

新規事業のカギを握る「数値設計」 現場目線で伴走するパートナー活用も有効

企業のDX推進や新規事業の開発の成功には、計画段階でしっかりと「数値設計」を行うことが欠かせません。

「数値設計」では、現場責任者と経営層、その両方の目線を持って、ロジカルに計画を立てることが求められます。2つの異なる立場からの目線が必要な「事業計画」づくりにおいては、第三者の立場から伴走してサポートする、外部のパートナー企業の活用もおすすめです。

ADDIXが提供する、DXによる新規事業開発ご支援では、企業の課題や現状に寄り添った伴走型での支援を継続して行っていきます。ビジネスモデルの策定から事業計画設定、サービスデザイン、UX/UIデザイン、そして開発、グロース支援まで、一気通貫したサポートが可能です。お気軽にご相談ください。

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 ■プロフィール

株式会社ADDIX デジタルプラットフォーム事業部 ビジネスアナリスト 清水 正之介

 

 

株株式会社ADDIX ソリューション事業部 ビジネスプロデュースユニット CX開発 ビジネスアナリスト
清水 正之介(しみず しょうのすけ)

2019年にADDIXのデータプラットフォーム事業部に参画。
飲料メーカーのデジタル戦略コンサルティング、交通系企業の移動データ分析など、複数プロジェクトを担当した後、現在の部署へ異動。
ビジネスアナリストとして、大手企業の新規事業における経済合理性検討やKGI/KPI設計、データ分析経験を活かしたデータ構造の設計支援等、複数プロジェクトを担当中。


※本記事内の情報や部署名・所属等は記事公開時点(2021年7月)のものです

Topics: DX