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DXを成功させるには? 企業がデジタル競争力を高めるための一歩とは

Posted by ADDIX on Nov 9, 2020 3:21:41 PM

コロナ禍によって顧客の行動や市場のデジタル化が急激に進み、企業の経営層には、事業環境の変化に対応したDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが急務となっています。

今後も続く大きな変革に柔軟に対応していくために、企業はどのようにDXに取り組むべきでしょうか。DXを成功に導くヒントをご紹介します。

 
(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?
1.DXとは?

市場のデジタル化を受け、多くの経営者がDXを進める重要性を認識しています。ところが実際には、「DXを進めなければならない」と認識してはいるものの、何からどう始めるべきかわからない場合も少なくないようです。

ではそもそも、DXとは何を指す言葉でしょうか。
DXは、Digital transformation(日本語では「デジタルトランスフォーメーション」)の略です。英語では「transformation」の省略は「X」と表記されるため、DXとなります。

Digital transformationという単語の初出とされるのは、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマンが2004年に発表した論文“ Information technology and the good life ” の中の下記の一節です。

“The digital transformation can be understood as the changes that the digital technology
causes or influences in all aspects of human life.” (直訳すると「このデジタルトランスフォーメーションとは、人間の生活のさまざまな面において、デジタル技術が引き起こすまたは影響する変化一般のことだと理解して差し支えない」という意味。)

この論文におけるDXは、デジタル技術の進化によって起こる社会全体の大きな変革を指しています。

【DXが進む世界のイメージ図】
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一方で、DXという言葉は日本国内において非常に広い範囲で使われています。

たとえば、デジタル技術を活用した業務の効率化から、アナログだったものをデジタルに置き換えるデジタルシフト、そしてデジタル技術を活用した新規ビジネスの創出までも、同じDXという言葉で括られ、語られています。

実際、企業がDXに取り組む場合には、その企業のデジタル化の進度によってそのファーストステップは大きく異なります。多くの企業では、デジタル変革に至るまでに、さまざまな細部のデジタル化を進めることが必要となります。

2.DXの定義

経済産業省の定義では、DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」を指します。

またIT専門の調査会社であるIDCでは、DXを「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立することを指す」と定義しています。
※「第3のプラットフォーム」とは、IDCが提唱する概念で「モバイル」「ビッグデータ」「クラウド」「ソーシャル」の4つの要素で構成される新しいテクノロジープラットフォームを指す。

つまり、DXは単なるIT化やデジタル化ではなく「企業の競争優位性を確立すること」を目的に、「ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること」を意味しています。

企業は新しいデジタル技術を活用し、データの利活用によって既存のビジネスから脱却しすることで、新たな価値を生み出していくことが求められています

3.「2025年の崖」問題

もし企業においてDXが進まない場合、具体的にはどんなことが起きるのでしょうか?
その1つの回答が「2025年の崖」です。

2018年9月に経済産業省が発表したレポート(『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』)で明らかになったのは、経営者層では多くがDXの必要性について理解しているが、早くから資本を投下してIT化を進めてきた規模の大きい企業ほど、DXの推進が難しくなる要因があるということです。

導入から数十年が経過した基幹システムの老朽化や、度重なる機能追加による複雑化、システムの全容を知る社員がすでにいないなどの複合的な要因から、IT化自体はすでにかなり前に実現されている企業であっても、その保有するデータを十分に活用しきれていない現状があることが明らかになっています。

この課題を克服できない場合にはDXは実現されず、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があるとされました。衝撃的だったこのレポートの発表から2年が経ちましたが、現在でも日本企業の多くは、いまだDXが十分に進んだとは言えない状況です。

(2)DXを成功させるには?
1.DX推進できている国内企業はわずか36%!

「2025年の崖」を克服し、DXを成功させるためにはまず何をしていくべきでしょうか。

2019年11月発表の日経BP総研の調査によれば、「DXを推進している」と答えた国内企業は3社に1社だけでした。


【国内企業のDXの推進状況】
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(※データ出典:https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20191125/を基に作成)


DXはグローバルでは進み始めていますが、2020年発表のIMD世界デジタル競争力ランキングで日本は27位であり、残念ながら大きく出遅れている状況です。

数十年にわたって経済力によって国際的な影響力を保有してきた日本ですが、今後も引き続き力を保ち続けていくためには、各企業が長期的な視野にもとづいてDXを実現していくことが欠かせません。

2.DXが進まない原因は

日本でDXが進まない理由としては、これまで多くの日本企業のICT戦略が、短期的な経営目標にもとづいて計画されてきたことがあります。

目先の利益が目標となったため、比較的ICTの導入が進んだ企業でさえもデジタル技術がもっぱら業務効率の向上のために使われがちでした。

実際、JEITAとIDC Japanの調査によれば、米国企業ではIT投資を「ITによるサービス開発強化」「ITによる顧客行動市場の分析強化」など、変革につながる用途としていることに対し、日本では「ITによる業務効率化/コスト削減」の用途が突出しています。

この違いが、日本と米国のデジタル競争力の差、つまりはDXの進捗レベルの大きな格差となってとなって表れているのです。

【IT予算増額の理由/用途】

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(画像出典:https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp190513.pdf

3.DXが求められる背景

そもそもDXが求められる背景には、デジタル技術の目覚ましい進化があります。デジタルデバイスの発達と普及により、この10年で顧客接点のデジタル化と多様化は急速に進行しました。

あらゆる活動がデジタル上で行われるようになり、その行動情報は膨大な量のデジタルデータとして取得可能となりました。それに伴い、企業が保有するデータは年を追うごとに種類・量とも加速度的に増加し続けており、今後その量はますます増大していきます。これは生活者である顧客個人のみならず、法人や企業・団体の活動についてもまた同じです。

【モバイル経由でのデータ通信量の推移(デバイス別)】
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(※画像出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd131120.html

4.DXのカギはビジネス価値を向上させるためのデータ利活用

あらゆる業種・業界の企業が膨大なデータを保有可能となった世界では、データをビジネス価値の向上に結びつけられるかどうかが企業の競争力の差となって表れます。また、行動がデジタル化していても、そのデータを取得・蓄積していかなければ活かすことはできません。

新たなデジタル技術を活用してDXを成功させるためには、システム全体のデータの利活用・連携が可能でなければなりません。そのためにはレガシーシステムのモダナイゼーションやアナログ業務のデジタル化、業務プロセスの改善などを進めると同時に、収集されるデータを蓄積・管理するデータマネジメントの視点も併せて持つことが重要です。

事前のプランニングに基づいた適切なデータの収集・蓄積・管理を起点として、AIやIoTなどの最新テクノロジーの導入や活用、分析ツールとの連携など、データ戦略によってビジネス価値を生み出し、将来にわたって企業の競争力を高めていくことが可能になります。

5.データ活用の目的と将来

DXにおいては、企業によってデータ利活用への期待は異なります。

期待される活用例としては、

・顧客情報の分析でパーソナライズドされた顧客体験を提供する
・行動データやインサイトをAIで解析して新たなビジネスを創出する
・事業の効率化を図る

などがあります。

どのような目的でデータ活用する場合にも共通することは、データをシンプルにし、組織の誰もが使いやすい形で収集・蓄積しておくことが大切だということです。また、将来の拡張性を考慮することも必要です。このことは将来新たなデータ活用ニーズが生まれた場合や、基幹システムの入れ替え、新たなツールの導入の際に大きなメリットとなります。

単なるデジタル化を超えて、自社が保有する、または将来保有するであろうデータを適切に活用できる環境を整えることが、DXの成功に結びつく一歩です。

まとめ

今後ますますデジタル化が進んでいく中で、企業が保有するデータはさらに指数関数的に増加し続けていくことが確実です。企業には、経営層を含めた全社的な意識改革とともに、膨大なデータを価値の源泉として活用し、DXをさらに進めていくことが求められます。


(参考データ出典)
https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20191125/
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp190513.pdf
https://www.idc.com/jp/research/products-cis
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/8f7f56aaed9d2af4.html
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd131120.html



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Topics: DX