Instagramのアカウント運用をされている皆様、「最近コンテンツが伸びづらくなった」とお悩みではないでしょうか?
これまでと同じクオリティのコンテンツを作り上げても想定の数値までインサイト数値が及ばず、今後どのようにアカウントを成長させていくべきか、お悩みの企業が多く見受けられます。
その変化には、直近のInstagramのアルゴリズムが影響していると考えられます。Instagramのアルゴリズムとは、各ユーザーに対してフィードなどの投稿の表示順を決めるための仕組みのことです。
2022年4月中旬頃より、Instagram側が「人気の投稿」と判断するためのインサイト指数が変化し、これまでの成功事例に則った運用だけでは、エンゲージメント・リーチ数の獲得が難しくなっています。
今回はそのアルゴリズムの変化と、各アカウントが対応すべきことについて解説いたします。
執筆者:
株式会社ADDIX ソリューション事業部 中村 碧
※本記事の内容は、2022年8月時点の情報をもとに作成しています。
1. 新しいアルゴリズムの仕組みについて |
Instagramの投稿表示はユーザーごとにパーソナライズされており、そのアルゴリズムを理解しておくことで、ユーザーに情報を届けやすくなります。
これまでInstagramのアルゴリズム上では、「エンゲージメント数の総量」が重視されていましたが、4月中旬からは「エンゲージメント率」と「投稿後の初速」が重視されるようになっています。
これまでは「いいね」「コメント」「保存」などのエンゲージメントの数を多く獲得した投稿が、「人気の投稿」として判断されており、ホーム・発見タブへ多く掲載されエンゲージメント・リーチを向上させることができました。
しかし今後はエンゲージメントの量ではなく「エンゲージメント率」がひとつの指標となります。ということは、その投稿を見たユーザーに可能な限り、多くの反応・アクションを起こしてもらわなければならないということです。
さらに「初速」は、投稿後の数分~1時間以内でどの程度エンゲージメントを獲得できているかを測定しており、いかに早くユーザーからの反応を獲得できるかという点も重要となってきます。
2. アルゴリズムの変化に伴う、アカウントへの影響 |
こうしたInstagramのアルゴリズムの変化による影響は、アカウントによって少し異なります。
Instagram内には様々な規模のフォロワーを抱えるアカウントが存在しますが、エンゲージメントの「数」はフォロワーの「数」が多ければ多いほど獲得できる量が増えるので、フォロワーを多く抱えるメガアカウントのほうが圧倒的に有利でした。
しかし今後は、フォロワーの少ない小規模アカウントでも投稿に対するエンゲージメント率を高めることができれば、Instagramで「人気の投稿」としてランク付けされる可能性があるのです。
反対にメガアカウントは、エンゲージメント率の母数であるフォロワー数が多いので、小規模アカウントと比較して苦戦を強いられるでしょう。
3. 各アカウントが対応すべきこと |
このようなアルゴリズムの変化により、これまで以上に「エンゲージメント」を獲得することが重要となりました。フォロワー数やリーチ数でなく、エンゲージメントという中身の部分にフォーカスした対応が求められます。
そこで、各アカウントが見直すべきポイントは大きく4つあります。
①フォロワーの関心・興味にあったコンテンツを提供できているか ②ユーザーの反応を誘発するコンテンツ内容となっているか ③ユーザーと親密なコミュニケーションが図れているか ④フォロワーへ投稿がしっかり届いているか |
①フォロワーの関心・興味にあったコンテンツを提供できているか |
より多くのエンゲージメントを獲得するために、ユーザーとアカウントのマッチングは最も重要な項目といえます。
ユーザーは、興味・関心の薄いコンテンツは流し見をするだけで、「いいね」「保存」などのアクションはしません。さらに、ユーザーニーズに適した投稿ができていないと、一部のユーザーにとってはノイズに感じ、フォローを外されてしまうケースも少なくありません。
そういった状況に陥らないためにも、アカウント・ブランドの特徴や世界観をしっかりと理解したうえで、フォロワーがアカウントから得たい情報や求めているものを発信していくことが大切です。
「フォロワーの関心・興味にあったコンテンツを提供」するには? ✓アカウント・ブランドの強み=ユーザーが支持する部分を把握する |
②ユーザーの反応を誘発するコンテンツ内容となっているか |
変化するアルゴリズム内でしっかりエンゲージメントを獲得していくためには、戦略的な投稿も必要となるでしょう。
①でご説明したユーザー目線に立った投稿を続けつつ、投稿をみたユーザーが「いいね」や「保存」をしたくなるよう仕組んだコンテンツを取り入れていくことをおすすめします。
「ユーザーの反応を誘発するコンテンツを作る」には? ✓あとから見返したくなる情報を入れる(商品の詳細やイベントなど) |
▼カルーセルを活用した投稿の例
画像出典元:
https://unyoo.jp/2017/03/updated-instagram_carousel-ad-and-organic-post/
③ユーザーと親密なコミュニケーションが図れているか
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Instagramのアルゴリズムでは、ユーザーとアカウントの親密度もひとつの指標として計測されています。
アカウントからの一方通行な発信にならないよう、フォロワーと積極的にコミュニケーションを図りながら、関係性を高めていくことが重要です。
「ユーザーと親密なコミュニケーションを図る」には? ✓ユーザーに問いかけるようなキャプションを作成する |
④フォロワーへ投稿がしっかり届いているか
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最後は、投稿の「初速」にかかせない拡散の部分です。フィード投稿は、新しいもしくは人気のコンテンツが上部に表示されるため、ユーザーのタイムラインで流れてしまうことが多く、リーチ数獲得のチャンスを逃してしまっていることがあります。
せっかくのコンテンツが埋もれてしまわないよう、投稿時間や投稿後のフローも再確認しましょう。
「フォロワーへ投稿をしっかり届ける」には? ✓フィード投稿後、ストーリーズでシェアをする |
4.アルゴリズムの変化に影響されないアカウント作りとは? |
ここまでアルゴリズムの変化と対応策についてご説明しましたが、Instagramでは今後も頻繁にこのようなアップデートがあると予想されます。
各企業・ブランドのInstagram運用担当者の皆様は、その都度アカウントを見直し改善していく必要がありますが、そもそもこういった変化の影響を受けにくいアカウントにしていくための対策をご紹介します。
①なるべくひとつのコンセプトに絞って運営する
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多様なジャンルを取り扱っているとアルゴリズムの影響を受けやすいため、なるべくひとつのコンセプトに絞って運営するのがおすすめです。
②フォロワーが求めるコンテンツを提供し、コミュニケーションをとる
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フォロワーがアカウントに求めるコンテンツを提供し、一方通行の発信にならないよう、親密なコミュニケーションを図ることが重要です。
③アカウント内で常にエンゲージメントを獲得できる「勝ちパターン」投稿をみつける
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自社アカウントで過去エンゲージメントを多く獲得した投稿や、競合アカウントで反応の良い投稿を参考にしながら、自社だけの「勝ちパターン」投稿を見つけることが大切です。
④新しい機能をなるべくすぐに試す
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Instagramではよく新機能が追加になりますが、その機能をなるべくすぐに自社アカウントに取り入れることもおすすめです。Instagram側も新機能の反応を早く知りたいため、積極的に活用するアカウントを優遇する傾向があるといえます。(リール機能ローンチの直後も、リールのリーチ数が伸びやすくアカウントにもかなり好影響がありました。)
まとめ |
今回は、Instagramのアルゴリズムの変化とその対策をご紹介しました。
ご紹介した対策すべてを網羅する必要はありません。アカウントによって、世界観や発信していきたいコンテンツは異なるからです。
重要なのは、「自身が運営するアカウントがユーザーにとってどんなメリットを提供しているのかを理解し、ユーザーが求める情報を適切なタイミングで発信していく」こと。
この基本をあらためて徹底し、フォロワーとの関係性を強化していくことが、今後のInstagramアカウント運営の秘訣となっていくでしょう。
ADDIXでは、Instagramアカウント運用やFacebook/Instagram広告など、SNSでのアカウントや広告運用をご支援しております。Instagramの活用にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
■執筆者プロフィール
株式会社ADDIX ソリューション事業部
中村 碧 / Aoi Nakamura
化粧品メーカーのデジタルマーケティング担当として、自社ブランドのSNSアカウント運用やデジタル販促業務に約3年間携わる。投稿コンテンツの企画から動画撮影・編集、インスタライブなどの総合的な運用により、Instagram・Twitterフォロワー数の増加(約5万人増)に貢献。ADDIX入社後は、アカウントディレクターとしてクライアントのSNSサポートや広告運用を担当している。