女性の生き方が多様化した現代。晩婚化が進み、今や30歳から34歳までの女性の約3人に1人が未婚というデータ(※)もあります。BWRITEでは、現代の女性たちの結婚観について探るべく、18歳以上の女性200名に対して「現代女性の結婚の条件についての意識調査」を実施しました。
(※)2010(平成22)年の総務省「国勢調査」による。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/mikonritsu.html
「結婚相手に求めるもの」上位3つは「誠実さ」「同じ価値観」「家族を大事にする」
今、女性が結婚相手として求めているのは、いったいどんな男性なのでしょう。「結婚相手に求める3条件」として、14の選択肢から3つ選んでもらいました。その結果は、1位「誠実である」、2位「価値観が同じ」、3位「家族を大事にする」。上位3位までを、男性のスペックではなく、人物の内面的な要素が占めました。
女性が男性に求める条件というと、バブル期のいわゆる「三高」、「高学歴・高収入・高身長」が有名ですが、今はだいぶ変わっているようです。「高学歴」「高身長」は最下位の14位と13位となっており、結婚相手の条件としてはあまり重要視されていません。
また、かつての「三高」のもう1つ、「高収入」につながる選択肢を見ると、「経済力がある」は4位、「収入が安定している」は6位となっています。「経済力がある」「収入が安定している」の少なくともどちらかひとつを選んだ女性は200人中122人と約6割。「経済力」は、依然として結婚の条件として重視されているようです。
女性が結婚相手に求める「経済力」は、「高収入」とは限らない?!
ところで、今の女性が男性に求める「経済力」は、バブル時代を同じく、やはり「高収入」のことなのでしょうか。結婚相手の理想の年収についての質問には、1位「500万円くらい」(29.5%)、2位「1000万円くらい」(16.5%)、3位「600万円くらい」(9.5%)という結果が出ました。
もっとも低い「300万円くらい」は5.0%、もっとも高い「1000万円超」は7.0%と、回答には、かなりのバラツキが見られます。結婚生活の基盤となる「経済力」ですが、どの程度の「経済力」を相手に求めるかについては、女性たちの考え方はさまざまなようです。
では、結婚相手の収入について女性たちはどのような考えを持っているのでしょう。さらに詳しく聞いてみました。
「結婚相手に求める収入について、あなたの考えにもっとも近いものをお選びください。」という設問に対して、「平均的な収入はほしい」が46.5%、次いで、わずかな差で「高ければ高いほうがいい」が44.0%。「生活ができる程度であればいい」と回答した女性も9.0%いました。
「高ければ高いほうがいい」と答えた「高収入」を求めている女性は半数ほどで、残りの女性は「平均的な収入」もしくは、それ以下の収入でもかまわないと答えています。
これを年代別に見ると、35歳以下と、36歳以上で傾向に違いが見受けられました。35歳以下では「平均的な収入はほしい」が「高ければ高い方がいい」を上回っているのに対して、36歳以上は「高ければ高い方がいい」と答えた人のほうが多い結果に。この辺りの年代で、結婚相手の「収入」への意識に違いがあるようです。
具体的なコメント見ると、「高ければ高い方がいい」と答えた人からは、
「お金があって困ることは何もないので。(23~28歳/フルタイム勤務)」
「金銭的なゆとりは、精神的なゆとりにもつながるので。子供ができたら、しっかりとした教育を受けさせるためにも必要。(23~28歳/フルタイム勤務)」
「お金で喧嘩をしたくないから(36歳以上/パート・アルバイト)」
「平均的な収入はほしい」と答えた人からは、
「金銭感覚狂うくらいのお金は家庭を壊すし、ちょうどいいのが一番(18~22歳/学生)」
「収入が高いと価値観が変わる。ある程度の収入で節約して、貯金しながら生活したほうが気持ちも充実する」(18~22歳・フルタイム勤務)
などの声がありました。
「三高」時代と同じく結婚相手に「高収入」を求める女性もいる一方、「平均的な収入」を望む女性も同じくらいいる様子。「お金は大事だけど多すぎるのもイヤ」という人、「収入が高いのに越したことはない」という人、さまざまな考え方の女性がいるようです。
結婚像は多様化。今、女性が結婚に求めるものは「居心地のよい暮らし」
男性に求める収入についての価値観の多様化は、女性が思い描く結婚像の多様化も表しています。「結婚後のキャリアの理想」を聞いたところ、18~28歳の女性の42.4%が「結婚しても、子供を産んでも、仕事を続けたい」と答えました。また、未婚女性の36.8%が同じく、「結婚しても、子供を産んでも、仕事を続けたい」と答えています。
一方、かつての主流派である、「結婚したら仕事をやめたい」は、18~28歳の女性の12.1%、未婚女性の14.9%と今やすっかり少数派。自分も仕事をしつつ、支え合って暮らす結婚生活をイメージしている女性が多く、金銭的に男性に100%支えてもらうことを望む女性は少ないようです。
最後に、女性が結婚相手の男性に何を求めるかを自由回答で聞いてみました。
その結果、コメントで目立ったのは「一緒にいる時の居心地の良さ」「安心感」「優しさ」「包容力」というワード。そこからは、今の女性たちが、身の丈に合った、居心地のよい暮らしを望んでいる様子がイメージできます。
代表的なコメントは、次のようなもの。
「一緒にいて落ち着く、困難なことがあってもこの人となら乗り越えていこうと思える人(23~28歳・パート/アルバイト)」
「一緒に子育てや生活を楽しむことができる人(36歳以上・パート/アルバイト)」
生き方も働き方も多様化した今、女性が求めるものは、バブル期のように目に見えるものから、それぞれの女性が願う精神的な満足感に移行しているようにも思えます。
本質的なものが重視される現代。結婚相手も「ハイスペック」より「人柄」!
女性が結婚相手を選ぶ条件についてはバブル期の「三高」のほか、リーマンショック以降に登場した「三安(安らぎ・安心・安定)」「三平(平穏な生活・平均的年収・平凡な容姿)」など、さまざまな説がメディアに登場しています。「三安」「三平」に共通するのは、結婚相手に刺激を求めないことでしょうか。
今回の調査結果からも、現在の女性たちが、「結婚生活」に「居心地の良い暮らし」を求めていることが明らかになりました。結婚相手は「人生を共に生きるパートナー」。女性が考える理想の結婚相手も、わかりやすくハイスペックな男性から、「この人となら、結婚生活を楽しめそう、それなりにやっていけそう」と思える男性へと移り変わっています。
バブル期が高級ブランド志向とすると、今は生活の質を重視する時代。より本質的なものが重視される時代になったといえるのかもしれません。
text/田村未知
<調査概要>
「現代女性の結婚の条件についての意識調査」(調査実施:BWRITE)
【調査実施期間】
2016年5月25日(水)~6月3日(金)
【調査対象・人数】
18歳以上の「Skets」会員女性 200名(有効回答)
【調査方法】
WEBアンケート方式
【アンケート収集元】
共創コミュニティサービス「Skets」